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◆会員情報


展覧会 生誕300年 「若冲の京都  KYOTOの若冲」 景山由美子・山本順子会員 関係
会 場:京都市美術館(京都市左京区岡崎円勝寺町124 岡崎公園内)
日 時:2016年10月4日(火)~12月4日(日)9:00~17:00
入場料:大人1,200円 高大生1,000円 小中生500円
記念講演会:
11月12日(土)「若冲にとって京都とは何か・」 狩野博幸(美術史家・本展監修者)
ワークショップ
11月19日(土)「筒描きで若冲のミニ屏風を作ろう」青木聡子(染織家兼デザイナー)

 

本年は伊藤若冲生誕300年にあたり、各地で展覧会・講演会が行なわれておりますが、昨年11月の和紙文化講演会で山本会員関連の作品をDMSで紙繊維の分析診断、今年4月には和紙研月例会でも「〈生誕300年〉伊藤若冲が好んだ画紙について」という発表が景山由美子会員からありました。その発表は筋目書きなどの単色の水墨作品で若画冲が使った紙がどういうものだったかという、これまでにない視点で興味深く、新しい知見が得られました。その発表で調査した作品が本展に出品されているようです。
 この展覧会も残るところあと20日あまりとなりましたが、大勢の観覧者でにぎわっているようです。展示替えもあるので全部見れないのが残念ですが、先日お邪魔した時は彩色画も墨拓画もある中で、墨画が多かったように思いました。前述したように和紙研で「紙」という視点の考察が行なわれているので、それを頭において拝見することにしました。
 様々な題材の作品がありましたが、鶏図と鯉図が多く,鯉図は一面に10点、まさに壮観。他にも鷹・鶴・亀など、筋目書き・にじみ・ぼかしなど、墨色も様々で特に「眼」を見ていると、瞳がくっきりとして周囲が薄墨で巻かれていたり、わずかなにじみがグラデーションになったり、すっと引き込まれていきそうになることもあり、表現の多彩さが眼だけからでも感じました。
 紙色は照明の関係や保存性のこともありますが、現在の宣紙のように真っ白く感じるもの、少し黄色味のあるものや二番唐紙に近い黄色味の強いもの、清朝代の墨画によく目にする薄墨を塗ったようなグレー調のもの、茶色味があるものなど何種類にも感じました。元がそういう状態であったかわかりませんが、そこに墨が加えられれば(もし何種もの墨であったならさらに)表現も大きく変わることになるでしょう。また、にじみ方の違いもあり、紙と墨にプラス若冲の技術と感性があのような素晴らしい作品群を創り出したのだろうと、岡崎公園を後にしました。
 まだ観覧されていない方があれば、「紙」という新しい視点で、他の作品も含めて、若冲芸術をご堪能下さい。(日野)

関連HP
https://www2.city.kyoto.lg.jp/bunshi/kmma/exhibition/2016_7_fiscal_Jakuchu.html
http://www.mbs.jp/jakuchu-kyoto/

関連出版予定
来月刊行予定『和紙文化研究24号』に「若冲が愛した画紙について」(景山由美子著)が掲載されます。発行しましたら本HPでお知らせいたします。ご購入などの方法はその時にお知らせいたします。