4月2022

Zoomで配信 オンライン月例会 見学ご希望の方々へ 

Zoomで配信 オンライン月例会 見学ご希望の方々へ 

見学希望の方は、4月13日(水)まで、添付「オンライン例会見学申込み書」に必要事項を記入の上、entry@washiken.sakura.ne.jp(例会委員専用アドレス)にお申し込み下さい。見学詳細(配信URLなど)はこちらからご連絡いたしますので、必ずメール@を明記して下さい。もし、明記がない場合は、受付・配信はできません。なお、見学は5回まで可能です。1回あたり500円必要ですので、〒振替口座に事前にお振込みいただくことになります。

FAX 申し込み書<Wordファイルです

◆ 4月オンライン例会
日 時:4月16 日(土)13:30 ~15:30
配 信:Z00M(ズーム) 希望者にはURLを送信
13:30 ~ 15:30 陳 剛「中国手漉き紙の現状」(下記参照)
15:40    退出

*13:00からZoomの会議室への接続ができます。
*また、海外からの参加ですので、時間が多少前後する場合がございます。予めご了承下さい。

招聘講師発表
題 名「中国手漉き紙の現状について」
            上海復旦大学文物与博物館学系教授 陳 剛 講師

紙の発明は文化の伝承、社会の進歩などに重要な役割を果たした。長い発展歴史の中で、中国の製紙原料は麻、皮から竹に代わり、使用範囲は拡大した。書写、印刷、書画、包装、祭祀などの各分野に及び、人々の生活の中で不可欠な材料となり、書画芸術の発展にも重要な役割を果たしている。中国手漉
き紙の産地分布の広さ、種類の多さは、世界範囲から見ても類のないことである。
発表者が率いる研究チームは、2006 年から中国全土に於ける手漉き紙産地百か所以上の調査を行った。今回の発表は、調査の経緯と結果を踏まえ、手漉き紙の種類と区域分布の現状、中国手漉き紙の代表である皮紙、竹紙、宣紙などの製作技術を紹介し、中国の伝統的な製紙技術の特徴と精妙さを味わう。
その上で、原料の前処理、叩解、抄紙、乾燥など製紙工程の順で、中国伝統的な製紙技術の多様性を紹介した。そして、伝統製紙技術の保護の現状と課題、例えばその価値評価、伝統的な手漉き紙の復元や市場開拓なども議論される。

■発表者プロフィール
陳剛、1969 年生まれ。中国上海復旦大学文物与博物館学系教授、復旦大学文化遺産保護研究センター主任。
1991 年復旦大学物理二系文化財保存学科卒業、1994 年同大学大学院物理化学修士課程を修了し、2004 年東京藝術大学文化財保存学( 博士課程) を修了した。
1994 から復旦大学文博学院(後に文物与博物館学系)助手、講師、副教授を経て、2014 年から現職。主に紙文化財の保護研究に従事し、伝統的な製紙技術の科学研究、紙劣化のメカニズムとその防止研究、博物館環境などを含む。中国国家重点研究開発計画、教育部、上海市などから研究プロジェクトを引き受け、中国国内21 省市70 市県の代表的な伝統的な製紙点約100 カ所以上に及び調査を行った。「中国手工竹紙製作著作3 部を出版し、公式出版物に40 編余りの論文を発表した。
現在、東アジア文化遺産保護学会紙文化財専門委員会執行委員、中国科学技術史学会製紙史と紙文化財保存専門委員会常務理事、伝統工芸研究会理事、上海市工業美術設計協会理事を務めている。全国文化財保護標準化技術委員会委員、全国文化財保護職業教育教育指導委員会委員を務めたことがある。

1 調査個所を示す地図(

2 竹紙調査の風景(2006年福建長汀にて)
3 竹原料の人尿発酵(浙江富陽にて)
4 ロバ牽引する石碾で桑皮をひく(山東曲阜にて)

◆会員情報

会員情報

連載企画 川崎市市民ミュージアム被災収蔵品レスキューの記録
「被災収蔵品処置の記録 ―収蔵品を追う―
 ~写真分野編~<ラブリイ子爵の写真アルバム『日清戦争』>」

                         花谷敦子 会員関連
「被災収蔵品処置の記録―収蔵品を追う―」では、ミュージアムの収蔵品を紹介すると同時に、収蔵品に施した処置をお見せしながら、作品・資料の保存や修復についてご説明いたします。(川崎市市民ミュージアムHPより)
2020年12月より始まった「連載企画 川崎市市民ミュージアム被災収蔵品レスキューの記録」ですが、3月25日に公開された写真分野のレスキューについては会員の花谷さんが登場します。

関連HP
https://www.kawasaki-museum.jp/rescue/rescue_archive/25817/

また、すでに公開されています「収蔵品レスキューの映像記録」についてもあらためてご紹介します。
映像冒頭のナレーションから
2019年10月12日 台風19号により川崎市市民ミュージアムは被災しました。この映像は被災してから1年間の活動を記録としてまとめたものです。複数の分野にわたる厖大な収蔵品を持つミュージアムにおいて、浸水がどのような被害をもたらし、水没した収蔵品を救い出す作業が、どのように進められてきたのか、職員や関係者が撮影した映像や画像を用いてご紹介します。
現在世界的な気候の変動により、各地で自然災害が多発し、人命の救助はもちろんのこと、文化財の被災やそのレスキュー活動も身に迫った課題となりつつあります。当館の事例を多くの方に知っていただくことで、今後の文化財の保全と防災のための学び考える機会となれば幸いです。
https://www.kawasaki-museum.jp/rescue/