月例会見学ご希望の方々へ

見学希望の方は、2月16日(木)まで、添付「Web申し込み書」に必要事項を記入の上、下記例会委員専用アドレスへ添付してお送り下さい。
entry@washiken.sakura.ne.jp
また、HP担当の日野宛に「FAX申し込み書」(03-3759-7103)でお申し込み下さい。見学詳細はこちらからご連絡いたしますので、必ずご連絡先を明記して下さい。もし明記がない場合は受付できません。なお、当日見学代として1,000円ご用意下さい。また、見学者が多い場合はお断りすることもありますので、お早めにお申し込み下さい。

FAX 申し込み書<Wordファイルです>

 

◆ 2月例会
日 時:2月18日(土)13:30 ~17:0 0   
  会 場:小津和紙本社ビル 6階会議室
  13:00 ~ 13:30 フリートーク
            ※会員相互の情報交換の時間としてご利用ください。
  13:30 ~ 14:40 2016年度 第6 回宍倉ゼミ宍倉佐敏 会員(下記参照)
  14:40 ~ 14:50 休憩 
  14:50 ~ 16:30 増田勝彦 副会長(次頁参照)
  16:30 ~ 16:45 事務連絡
  16:45 ~ 17:00 片付け・退出

 

2017年度 第6回 宍倉ゼミ      PC・プロジェクター・DMS使用                    
題名:和紙の歴史  中世の和紙 -1 
「中世の紙は何故平安時代や江戸時代と違うのか」       
               女子美術大学特別招聘教授 宍倉佐敏 会員  

 律令国家が緩み、地方の各地で武家階級が勢力を持ってくると、公家たちは没落し、地方では独自の文化が生まれた。紙の消費者は平安時代までは貴族や高級僧侶であったが、武家や土豪も文字を書き、読み始めて消費層が拡大した。
 紙屋院が衰退し、陸奥紙・杉原紙・吉野紙・美濃紙などに加えて鳥の子紙・修善寺紙など個性のある地方紙が誕生し、紙の特性を生かした、障子・傘紙・紙子などに加え、神前に使う紙から学んだ加工紙などのことが文献に残っている。唯、これら中世の紙が何処でどの様に作られたかは明確でなく、和紙研究者の多くは江戸時代の紙に因って中世の紙を類推している点に問題がある。
 中世の古文書に接する機会の多い、国文学者や修復する人の多くは「中世の紙は他の時代の紙と違う」と言う人が多いが、これは平安時代や江戸時代の紙に比べ特徴が多く観られるためと思われる。
 今回は中世の紙の種類とその製法を中心に中世の紙の特徴を考察する。前回同様にDMS(デジタルマイクロスコープ)とプロジェクターで繊維拡大写真を観察する。
会員発表                  PC・プロジェクター使用
題 名「紙漉きに使う木灰について」                
                   増田勝彦 和紙文化研究会副会長

 草木灰は江戸時代以来の伝統を受け継ぐ紙漉に必須な煮熟剤ですが、その草木灰には、数種類の植物名が挙げられています。どの植物の灰が良いのでしょうか。ある人はヨモギが最良と云い、そば殻、雑木などをあげる紙漉きもいます。
 紙漉にとって、良い灰とは、1)煮熟が短時間ですむ、2)仕上がりの紙の表情や物性が良い、の2 点だと思います。私の目はまだまだ訓練不足で和紙の表情を見分けることが出来ませんが、煮熟剤としての効果については、わかりやすいのではないかと思い、関係するデータを集めました。
 木灰の代わりの煮熟剤としてソーダ灰( 炭酸ソーダ) が使われているのですから、灰に含まれる成分の内、ソーダ成分が多い灰が良い灰だとしました。ただカリ成分も煮熟には効果を発揮するので、両者の成分の含有量を示したデータを比較した結果について話します。
 それらのデータに基づいた実験をしていないので、発表としては前編に当たります。