◆和紙情報

展覧会

令和7年度夏季展 
書斎を彩る名品たち―文房四宝の美―

Elegant Utensils from the Scholar’s Study: Beauty of the Four Stationery Treasures

会 期:2025年7月5日(土)~8月31日(日)
10:00〜16:30(最終入館時間 16:00)
※ご来館にあたって事前予約は必要ありませんが、混雑時はお待ちいただく場合がございます。
※状況により、臨時に休館や開館時間の短縮を行う場合がございます。
会 場 永青文庫
〒112-0015 東京都文京区目白台1-1-1 TEL 03-3941-0850
休館日:毎週月曜日(ただし、7/21・8/11は開館し、7/22・8/12は休館)
入館料:一般 1000円、シニア(70歳以上) 800円、大学・高校生 500円
※中学生以下、障害者手帳をご提示の方及びその介助者(1名)は無料
主 催:永青文庫  特別協力:ホテル椿山荘東京

概 要:
書や画をしたためる際に不可欠な筆・墨・硯・紙は、中国で長い歴史を経て進化し、知識人に愛玩されて「文房四宝」と呼ばれました。「文房」とは元来、詩作や読書にふけるための書斎・書院を意味し、「筆墨硯紙」が特に「四宝」として尊ばれたのです。それらは単なる実用的な道具としてだけでなく、文化的な価値が評価され、材質や装飾が鑑賞の対象となりました。
そうした「文房四宝」を愛好したのが、永青文庫の設立者・細川護立(もりたつ、1883~1970)です。護立は、幼少期から漢籍に親しみ、中国の陶磁器や仏像に関心を広げ、文具も収集しました。晩年の護立は、夕食後に必ず硯と筆を用意させ、書に親しんだということです。本展では、永青文庫に伝えられた護立の収集品から、「硯で墨をすって筆で紙に書く」という行為を彩った文具の数々をご覧いただきます。
また特集展示として、煙草入れなどの喫煙具も紹介します。煙草入れは、きざみ煙草を持ち歩くための入れ物で、江戸時代に喫煙が一般化すると、携帯に適した様式が確立しました。多様な技法や珍しい素材を用いた装飾の世界をお楽しみください。

展覧会の見どころ
細川家で大切にされた文房四宝を大公開します
永青文庫の設立者・細川護立は、晩年に中国文物に興味を移し、文房四宝を収集しました。息子の護貞(もりさだ、1912~2005)も、護立の収集に立ち合うことが多かったといい、父と共に文房四宝への関心を深めました。護立没後の1972年に開催された「永青文庫開館記念展」では、護立の中国美術コレクションから文房四宝が多く紹介され、『永青文庫名品選 文具』(細川護貞編、木耳社、1978年)も上梓されるなど、細川家で重視された分野であったことがうかがわれます。
本展では、そうした文房四宝について、90点以上を再調査し、その中から選りすぐりの60点あまりを20年ぶりに大公開します。
護貞は硯について、「石の良し悪しよりも銘を刻った人に憧れ(中略)学者や文人がこの硯を持って愛玩していたと思うと硯に対しても一種違った感情を持つことが出来た。」と述べています。そのような鑑賞は、文房四宝の魅力をより深いものにしてくれるでしょう。

 

関連誌:『墨295号』(芸術新聞社 2025年7・8月号 扉と146~147頁)

 

関連Web:https://www.eiseibunko.com/

1 チラシ 表
2 チラシ 裏
3 細川護立 氏
4 乾隆年仿澄心堂紙
5 王漁洋淄硯
6 乾隆年製 御製詠墨詩墨
7 百寿文軸筆