例会

月例会見学ご希望の方々へ

 見学希望の方は、10月12日(水)まで、添付「Web申し込み書」に必要事項を記入の上、下記例会委員専用アドレスへ添付してお送り下さい。

entry@washiken.sakura.ne.jp

また、HP担当の日野宛に「FAX申し込み書」(03-3759-7103)でお申し込み下さい。見学詳細はこちらからご連絡いたしますので、必ずご連絡先を明記して下さい。もし明記がない場合は受付できません。なお、当日見学代として1,000円ご用意下さい。また、見学者が多い場合はお断りすることもありますので、お早めにお申し込み下さい。

 

◆ 10月例会 和紙文化研究会月例会300回記念 
  日 時:10月15日(土)13:30 ~17:0 0   
  会 場:小津和紙本社ビル 6階会議室
  13:00 ~ 13:30 フリートーク
           ※会員相互の情報交換の時間としてご利用ください。
  13:30 ~ 14:40 第3回宍倉ゼミ宍倉佐敏 会員 (下記参照)
  14:40 ~ 14:50 休憩 
  14:50 ~ 16:30 300回記念合同発表  谷野裕子会員・文教大学国際学部黛ゼミナール(黛 陽子先生・矢川優希氏・佐藤麻耶氏)&NPO法人Bali Biodiversitas(下記参照)
  16:30 ~ 16:45 事務連絡
  16:45 ~ 17:00 片付け・退出 
※ 時間割・スケジュールは変更する場合があります。

 

2016年度 第3 回 宍倉ゼミ  〈PC・プロジェクター・DMS使用〉                    

題 名「 和紙の歴史 古代紙3「国産古代紙の最初の原料は楮であった」
               女子美術大学特別招聘教授 宍倉佐敏 会員

 日本には古くから多くの自生楮が各地に生育していて、人々はこれらを繊維植物として色々な方法で生活に取り入れて来た。
 在来種と言われるヒメコウゾは樹皮を中心に織物などに使われ、外来種のカジノキは樹皮の他に幹・葉・果実などを多くの方面に使われた。
 奈良時代中期頃からは樹皮が主要な紙原料になり、その後は和紙原料の主流となり各種の紙に利用され、私たち祖先の社会生活に大きく貢献したと言われる。
 楮は紙の需要が拡大したが急増した江戸時代を経て今日までも和紙の原料として需要の高い地位は変わらず続いている、この事実には何らか理由があると考える。
 楮紙誕生の原点から、各地に生育する各種の楮繊維の形態的性質等についてDMSとプロジェクターで繊維拡大写真を観察する。(前回の麻繊維も併せ観察する。)

5、那須楮(ソーダ灰煮精錬100xDMS画像)%ef%bc%95%e3%80%80%e9%82%a3%e9%a0%88%e3%80%80%e3%82%bd%e3%83%bc%e3%83%80

7、八女楮(ソーダ灰煮精錬100xDMS画像)%ef%bc%97%e3%80%80%e5%85%ab%e5%a5%b3%e3%80%80%e3%82%bd%e3%83%bc%e3%83%80

「繊維判定用 和紙見本帳」(2008年 紙の温度(株)発行)より

 

会員発表 (300回記念合同発表)         PC・プロジェクター使用

題 名「インドネシアバリ島での国際協力活動:紙すき活動で村に小産業を育てる ―細川紙の技術を学ぶ― 」

谷野裕子会員

文教大学国際学部黛ゼミナール(黛陽子先生・矢川優希氏・佐藤麻耶氏)

構成

第一部:「アグロフォレストリープロジェクトの概要と紙すきプロジェクトの現状と課題」 黛 陽子 先生

第二部:「紙すきプロジェクトを担う学生の役割と課題」 矢川優希氏・佐藤麻耶氏

第三部:「紙すきプロジェクトへの協力の経緯と課題」 谷野裕子会員

 環境問題と経済問題を同時に解決していくと言うアグロフォレストリーの手法を持って国際協力活動を運営し、ビジョンをたて、村のコミュニティをまとめていく中で、「紙ゼロ」地域に日本の手漉き和紙技術を導入して産業化をめざす活動は、まだ道半ばですが、その過程や結果が国際社会・自然環境、そして、国内外の紙漉きの世界とそれを取り巻く周辺社会に何をもたらしてくれるのか、和紙研で日頃考えているものとは違う角度から「紙」を見ることができ、「紙」を通じてこれまでにないどんな広がりがみえるかを考えることは、和紙文化の一つの新しい形とも言え、300回という記念すべき月例会に相応しいものです。
それぞれの課題を提示したいと思います。

 

 黛先生から発表についての紹介文を寄せていただきました。以下ご覧下さい。

 インドネシアのバリ島における中山間地域の貧困と森林劣化の村でアグロフォレストリー(森林農業)という手法を用いて紙すきの小産業化を試みようとする活動を紹介する。

 対象村は観光地でなく農業を主要産業とする標高1000m地帯で、昔から水が一切得られない場所である。1年の半年間、雨水を利用しての農業からの収穫が完全に出来ない乾期がある為、この時期に収入を得るための農作物による加工品小産業を必要としている。
 本プロジェクトへの助成(地球環境日本基金)で導入が実現した水車と水あげポンプ、配水システムの導入によって、乾期の農業が少量可能となった。この乾期に可能な農作物を基盤とし、かつ貯蔵と輸送(日本及び各国への国際輸送:壊れにくい)がし易く、設備の保守管理を村人が扱いきれる、乾期にも収入を得る仕組みを必要としている。かつ過去の経験から小産業を目指す対象には日本人スタッフとその協力者が販路を築く素地や道筋をある程度持って取り組むことが必要とされた。これらの課題をクリアできる対象を検討し、紙すきの小産業化に希望を見い出した。
 偶然のご縁で細川紙を扱う埼玉県の伝統工芸士である谷野裕子氏との出会いによって、紙すきの技術指導を直接受ける貴重な機会を持つことが出来るようになった。
 文教大学とBali Biodiversitas(下記関連HP参照)が運営するこのアグロフォレストリープロジェクト全体としては、村人と協働した体制、例えば農業インフラの設備である配水システムの保守管理、卸値を高める高品質な農作物の栽培、本プロジェクトの完成を夢見るが現実生活での収入を維持すべき村人の生活を邪魔しない動機付けの維持など、多くの課題を同時に取り組んでいる。これに一番の大きな課題である本紙すきプロジェクトの成功へ向けて谷野氏の熱心なご指導により、村人のやる気、文教大学を始め現地の高校生大学生の学生、現地日本人経営のリゾートホテル等の参加が力となり、少しずつ前に進んでおり、様々な課題を抱えながらではあるが、現在へ活動が継続している。
 アグロフォレストリーの完成は、自然環境に関しては豊かな生物多様性の回復、人間生活にとっては小産業の円滑な運営によって現地の人々の収入の底上げをすることにある。上述した紙すき活動によって少しずつであるが収入が入る仕組みを作りつつある。国内では細川紙における活動周辺の宿泊施設の売店での販売、手作り品を販売するインターネットショップ、文教大学での大学祭などを行なう。バリ島現地ではリゾートホテルへの土産品として販売を提案するプロモーションを行なう。いずれも高品質で繊細なデザインを好む日本人をターゲットとするため、村人の技術の向上と商品開発に苦しむ日々である。
 文教大学の学生のアイデアを含め、幅広い視野で商品開発を行なう努力をしている。商品開発をし、定期的に売り上げが入り、村人の生活が少しでも楽になり、村人だけで運営することが出来なければ本プロジェクトは意味をなさず、まだまだ長い道のりを歩む必要がある。

発表者プロフィールと関連HP

谷野裕子(HIROKO Tanino):

埼玉県伝統工芸士・細川紙技術保持者・工房「手漉き和紙たにの」代表・埼玉県立大宮光陵高校特別講師

手漉き和紙たにの 関連HP

http://monme.net/

黛陽子(YOKO Mayuzumi):

文教大学 国際学部 国際観光学科 専任講師 博士(環境学)

http://langit-bali.com/Mayuzumi_Seminar_Bunkyo/wordpress/

インドネシア政府認可 環境財団 Bali Biodiversi tas 日本窓口・特定非営利活動法人 Bali Biodiversi tas 代表理事

NPO法人Bali Biodiversitas関連HP

http://www.langit-bali.com/bali_biodiversitas/index_jp.html

http://www.social-action-ring.org/detail/detail-1012/

活動報告(世界のこんなところで頑張ってる!~公益信託地球環境日本基金が応援する団体) 

第15回 インドネシアのバリ島でのアグロフォレストリー活動

http://www.gef.or.jp/activity/publication/globalnet/2016/201605.html

活動報告(地中船クラブ『地球船』12・13・14各号)関連HP

http://www.chikyuusen.org/

矢川優希(YUKI Yagawa):

文教大学国際学部国際理解学科3年 黛ゼミナール所属 紙漉班

佐藤麻耶(MAYA Sato):

文教大学国際学部国際観光学科3年 黛ゼミナール所属 紙漉班

文教大学国際学部関連HP

https://www.bunkyo.ac.jp/department/inter01.htm

 

ドラセラで漉いた紙(435×320とはがきサイズ)

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バヌアと紙漉

1 バヌア村の風景                 2 現地の紙すき小屋の完成

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3 バヌアの水車                     4 漉きふね

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5 紙漉き                    6 乾燥器具の代用

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7 バリの紙漉き班(最右が谷野さん)      8 谷野氏による村人への指導(左が谷野さん)

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9 村人から文教大学生へ紙すき指導

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調査・研究

10 現地大学生との共同学習会       11 現地日本人経営者から村人へのアトバイス

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12、学生による村人達からの聞き取り調査

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商品化への取組み

13 現地絶滅危惧種をキャラクターとしたデサイン     14 現地高校生が参加してデサイン考案

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15 村での共同ワークショップの様子           16 村人考案のグリーティンクカード

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17 黛研究室での商品考案風景             18 文教大学学園祭での出店風景

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19 文教大学学生提案のデザイン

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予告 和紙文化研究会月例会300回記念 

和紙文化研究会月例会300回記念 
谷野裕子会員・文教大学国際学部黛ゼミナール&NPO法人Bali Biodiversitas合同発表
「インドネシアバリ島での国際協力活動:
      紙すき活動で村に小産業を育てる ―細川紙の技術を学ぶ― 」 

 和紙研の月例会が300回を迎えるにあたり、国際的なテーマで日頃とは違ったアングルで紙・和紙を考えてみます。是非ご期待下さい。
例会日時:10月15日(土)13時30分~17時(開場13時)
     合同発表 14時50分頃から100分(予定) 
例会会場:小津和紙本社ビル 6階 (9月の月例会見学希望の方々へを参照)
          〒103-0023 東京都中央区日本橋3-6-2 TEL 03-3662-1184
発 表 者:谷野裕子会員
     文教大学国際学部黛ゼミナール:
          黛 陽子先生・矢川優希さん・佐藤麻耶さん(紙漉班)

 文教大学国際学科の黛ゼミではインタープリテーションをテーマに学習を進めています。その一環としてインドネシアバリ島バンリ県にあるバヌアという450人の小さな村で、脱貧困を目指す新たな産業を作り出す国際協力に取組んでいます。環境保全をしながら産業化を図るために様々な生産物を対象とする中で、3年前から「紙すきプロジェクト」を立ち上げました。
 その技術指導に当っているのが、和紙研の会員で細川紙技術保持者で埼玉伝統工芸士の谷野裕子会員(手漉き和紙たにの)です。現地は“紙ゼロ”地域、技術はもとより、原材料・道具など手探り状況からスタートでした。
 このプロジェクトのもつ意味、そして、この成果がもたらすものに、日本国内の和紙や国際的な紙の広がり等があるのかもしれません。

以下、現地の紙漉き風景を少し紹介します。

1 紙の原料、自生する植物ドラセナ1 (2)
2 収穫後のドラセナ2 (1)

 

3 漉き舟3 (1)
4 漉く4 (1)
5 乾燥(村で貴重なガラス窓で干す)

5 (1)

月例会見学ご希望の方々へ

見学希望の方は、9月14日(水)まで、添付「Web申し込み書」に必要事項を記入の上、下記例会委員専用アドレスへ添付してお送り下さい。
entry@washiken.sakura.ne.jp
また、HP担当の日野宛に「FAX申し込み書」(03-3759-7103)でお申し込み下さい。見学詳細はこちらからご連絡いたしますので、必ずご連絡先を明記して下さい。もし明記がない場合は受付できません。なお、当日見学代として1,000円ご用意下さい。また、見学者が多い場合はお断りすることもありますので、お早めにお申し込み下さい。

FAX 申し込み書<Wordファイルです>

◆ 9月例会
  日 時:9月17日(土)13:30 ~17:0 0   
  会 場:小津和紙本社ビル 6階会議室
  13:00 ~ 13:30 フリートーク
           ※会員相互の情報交換の時間としてご利用ください。
  13:30 ~ 14:40 第2回宍倉ゼミ宍倉佐敏 会員 (下記参照)
  14:40 ~ 14:50 休憩 
  14:50 ~ 16:30 会員発表 辻本直彦 会員(次頁参照)
  16:30 ~ 16:45 事務連絡
  16:45 ~ 17:00 片付け・退出 

2016年度 第2 回 宍倉ゼミ  〈PC・プロジェクター・DMS使用〉                    
題 名「 和紙の歴史 古代紙2「最初の原料は織物クズであった」
               女子美術大学特別招聘教授 宍倉佐敏 会員

 4000年前のエジプトの墓碑に眠るミイラは亜麻布に包まれていたと言われる。日本でも縄文時代の土器の紋様に観られる「アンギン織」も苧麻の類が使われている、麻類は人類にとって最も身近な繊維植物で、中国で紙が発明された時の最初の原料も大麻の織物クズであった。
 古代の織物は中国では大麻、日本では苧麻、ヨーロッパでは亜麻が多く使われていたので各国とも最初の紙原料はこれらの麻額であった、洋紙風手漉き紙の製法が東南アジア地方に伝わると、現地に多く生育している黄麻や葉鞘繊維(マニラ麻など)が原料とされ、和紙風手漉き紙としてヨーロッパに輸出もされた。日本でも近代になるとこれらの麻類を輸入して機械抄き和紙の原料とした。
 770咋に完成した糖界最古の印刷物と言われる百方塔陀羅尼の料紙は1970年頃まで麻紙と信じられていた。科学の発展で感度の高い顕微鏡などの観察装置が生まれ、紙の繊維を細かく分析することが容易になり、植物繊維の研究と顕微鏡の操作法を学んだ結果、百万塔陀羅尼の料紙は麻類以外の植物繊維が使用されている事が判明した。これが現在日本特有の手漉き法に発展したと考えられる。
 当日はさまざまな麻の繊維を実際にDMSで観察し、その特徴などを解説する。また、「和紙文化研究6号」(下記参照)の「麻の研究」も御参照下さい。

 

麻紙(苧麻)のDMS画像200x「繊維判定用 和紙見本帳」(2008年 紙の温度(株)発行)より

苧麻の繊維

 

 

会員発表                  PC・プロジェクター使用

題 名「紙の博物館蔵 関義城コレクション【後編】」                
           公益財団法人 紙の博物館 学芸部長 辻本直彦 会員

 和紙に関する我国三大コレクションの一つとされていた関義城コレクションが、平成21年、紙の博物館に寄贈された。なお、三大コレクションの残りの二つとは、天理大学、紙の博物館と言われていた。関義城コレクションは、お孫さんの関義久氏が、長年、日通の倉庫に、段ボール箱で300箱を大切に保管されていたものである。本コレクションは、書籍数約4,000件(整理済み)、資料は現在も整理中で、推定数千件に登る。
関義城氏は長く製紙業に従事し、古今東西の多種多様な紙の収集家であり、紙研究の草分けの一人でもあった。そのコレクションは、現在では製造されていない貴重な和紙・洋紙、染紙や千代紙、ちりめん紙などの加工紙、古文書や記録、紙漉き図などの浮世絵、広告、商標や、和書・洋書、見本帳、製紙機械のカタログや図面、製紙原料まで多岐に渡る。これらを見本帖として、多数の見本紙を添付した本を自費出版され、また、日本、中国の紙に関する文献を網羅した貴重な文献集も出版された。
関義城氏の功績には、三つの大きな柱がある。一つ目は、収集した膨大な量の紙を見本帳に仕立て、自費出版したこと。二つ目は、全ての見本紙の繊維原料を定量分析し、原料構成を明らかにしたこと。三つ目は、和漢の図絵と文献の文献集を出版したことにある。
昨年に続き、これらの出版物を中心にお話します。

 

1 紙の博物館企画展『関義城コレクション』(平成24年9月)

1 (1)

2 関義城 著作集

2
3 関義城肖像写真とThe Handmade Papers of Japan

3
4 繊維分析写真

4
5 『古今和紙譜』の見本紙

5
6 光明皇后が書写させた「四分律」の一部が『古紙之鑑』に貼付

6
7 和漢文献類聚 江戸時代編

7

 

【講師プロフィール】
公益財団法人紙の博物館 学芸部長 1973年京都大学大学院農学研究科終了後、王子製紙株式会社(現在王子ホールディングス株式会社)入社。研究開発業務で25年間研究所勤務。米国ウィスコンシン州「紙化学研究所」、およびニューヨーク州立シラキュース大学「ESPRI研究所」へ会社派遣留学。2006年から紙の博物館勤務。2009年11月の企画展示「手漉き和紙の今」では皇后陛下の御行啓を賜り御説明係を担当。
紙の博物館は企業博物館として我国でその歴史は古く、今年で創立66周年となる。

小津和紙ご案内200

2016年和紙文化研究会月例会予定

2016会員発表予定表(エクセルデータ)
※2016/8月は休会ですので見学はできません。今年度は和紙文化講演会はありません。2017/6月は小講演会・総合討議 和紙文化パネル‐workⅣを予定しておりますが、通常の見学手続きと同じです。
※テーマは仮題です。担当がまだ決定していない場合もあります。なお、発表者・発表内容・スケジュールなど変更になる場合があります。各月のお知らせをご確認下さい。

月例会見学ご希望の方々へ

見学希望の方は、7月14日(木)まで、添付「Web 申し込み書」に必要事項を記入の上、下記例会委員専用アドレスへ添付してお送り下さい。
entry@washiken.sakura.ne.jp
また、HP担当の日野宛に「FAX申し込み書」(03-3759-7103)でお申し込み下さい。見学詳細はこちらからご連絡いたしますので、必ずご連絡先を明記して下さい。もし明記がない場合は受付できません。なお、当日見学代として1,000円ご用意下さい。また、見学者が多い場合はお断りすることもありますので、お早めにお申し込み下さい

FAX 申し込み書<Wordファイルです>

 

◆ 7月例会
  日 時:7 月16 日(土)13:30 ~17:00   
  会 場:小津和紙本社ビル 6階会議室
  13:00 ~ 13:30 フリートーク
            ※会員相互の情報交換の時間としてご利用ください。
  13:30 ~ 14:40 2016年度 第1 回宍倉ゼミ宍倉佐敏 会員(下記参照)
  14:40 ~ 14:50 休憩 
  14:50 ~ 16:30 会員発表 佐々木紫乃 会員(次頁参照)
  16:30 ~ 16:45 事務連絡
  16:45 ~ 17:00 片付け・退出
 

2016年度 第1 回 宍倉ゼミ                    
題 名「 和紙の歴史 古代の和紙   その1」        
               女子美術大学特別招聘教授 宍倉佐敏 会員
■紙の発明
漂絮(ひょうじょ)という作業をした女性たちに因って、紙の原形が作られた。これをヒントに繊維の短小化や漉き具の改良が行われ、近年になり前漢時代の遺跡から紙状物が発見された。
「後漢書」に記述された紙の発明者とされる蔡倫の功績はなんであったか? 蔡倫が作った蔡候紙は書写性が優れた紙であった。その製法や原材料について考察する。
■日本への伝来と古代の紙
紙の製法は朝鮮半島を経由して伝わった、その製法は定かでないが、延長五年(927)に制定された延喜式に記述された古代紙の製造工程を紹介し、書写材として貴重な紙の表面平滑性を向上させる打紙処理法を解説する。

 

会員発表                  PC・プロジェクター使用
題 名「 和紙でつくろう!簡易帙」        
              国立国会図書館 資料保存課 佐々木紫乃 会員

 帙(ちつ)とは書物を保護するための包みです。
 一般的な帙は、厚紙を芯にして布を貼って作製しますが、技術と費用を要するため、誰にでもすぐに作れるものではありません。そのため、「保護 したい資料はあるけど、帙を作るのは難しい...」と思っている方は多いのではないでしょうか。そこで、今月の例会では保護が必要な書物に対し、誰でも簡単に作成できる「簡易帙(かんいちつ)」のワークショップを行います。紙とハサミと紐があれば大丈夫。
 今回は和紙研ということもあり、和紙で作成します。
 
【参考】国立国会図書館 
資料保存研修実習テキスト 4.「簡易帙をつくる(PDF:397KB)」
http://www.ndl.go.jp/jp/aboutus/preservation/coop/training_forum.html

誰でも思う以上に簡単にできます。本は洋本でも和本でも大丈夫です。
ワークショップに参加してみたいという会員は各自、単行本サイズからA5 版サイズまでの本1 冊とハサミ、筆記具を必ずご持参ください。見学希望の方も参加できますので、本とハサミと筆記用具をお忘れなく。

※会員・見学者どちらも、お忘れの場合は、ワークショップにご参加いただけない場合がございます。ご了承ください。

 

1 長方形の手漉き和紙をこの形に切って折込む

1 (1)
2 本を置いた状態

2 (1)
3 上、下、左、右と折って行く

3
4 ひもを結んで出来上がり

4

5
5 大きさも色々です

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予告
この和紙の簡易帙は、手軽さ・安価・保存性・様々な形に対応など利点がたくさんあります、これは手漉き和紙の用途や需要にもつながる可能性がありますので、特集を組んでご紹介いたします。

小津和紙ご案内200