例会

月例会見学ご希望の方々へ

見学希望の方は、1月18日(木)まで、添付「Web申し込み書」に必要事項を記入の上、下記例会委員専用アドレスへ添付してお送り下さい。entry@washiken.sakura.ne.jpまた、HP担当の日野宛に「FAX申し込み書」(03-3759-7103)でお申し込み下さい。見学詳細はこちらからご連絡いたしますので、必ずご連絡先を明記して下さい。もし明記がない場合は受付できません。なお、当日見学代として1,000円ご用意下さい。また、見学者が多い場合はお断りすることもありますので、お早めにお申し込み下さい。

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◆ 1月例会
  日 時:1 月20日(土)13:30 ~17:00  
  会 場:小津和紙本社ビル 6階会議室
  13:00 ~ 13:30 フリートーク
            ※会員相互の情報交換の時間としてご利用ください。
  13:30 ~ 14:40 第14回 宍倉ゼミ 宍倉佐敏 会員(下記参照)
  14:40 ~ 14:50 休憩 
  14:50 ~ 16:40 招聘講師 坂本 勇 発表(下記参照)
  16:40 ~ 16:50 事務連絡
  16:50 ~ 17:00 事務連絡・片付け・退出

  ■ 新年会
  17:20 ~ 19:20 新年会  見学者も含め参加自由
  食べ放題飲み放題で3,300 円 当日受付可  幹事:阿久津・日野会員

※当日の進行状況により、スケジュールが多少前後する場合がございます。予めご了承下さい。

 

2017年度 第5回 宍倉ゼミ      プロジェクター・DMS使用予定
題名:「和紙の歴史 近代の和紙-2
『衣類にも紙にも最高級の原料である木綿(コットン)について学ぶ』」
               女子美術大学特別招聘教授 宍倉佐敏 会員

 人類の衣服の中で最もポピュラーで全世界の人々に使われている木綿について判り易く学んでみる。木綿はいつ頃から使われ、日本にいつ来たか、木綿の栽培は難しいと聞くが昔と今の違いや種類と特徴、木綿繊維は何故暖かいか構造から考えてみる、紙にする歴史的変遷や特徴ある木綿紙の製法と最近の木綿紙の状況など知ろう

 

招聘講師発表                PC・プロジェクター使用予定

題名:「国際的な樹皮紙Beaten Bark Paper の調査研究最新情報
   ~国際交流基金アジアフェロー2016(One year) 成果報告」        
                          坂本 勇 招聘講師

「樹皮紙とよばれるBeaten bark Paper」の、最大の弱みは「触った人が少数」、という点だ。そのためほとんどの方々が、「樹皮紙」というと、分厚く、粗雑で原始的なシロモノというイメージを描かれる。
 非常に残念で、誤解とマイナスイメージの連鎖が続いているのは恥ずかしいことだと思う。
 かのアメリカ議会図書館が選んだ「アメリカの秘宝12点」のひとつである「Huexotzinco Codex, 1531」は、現在巷にあふれる工業紙ではなく、クワ科樹皮の白皮を叩き延ばし平滑にした樹皮紙Beaten bark Paperです。手に取って調べさせてもらいましたが、日本の高貴な檀紙の風合いを感じさせるものでした。
 和紙にも品質の良し悪しがあるように、樹皮紙にも品質の幅があります。文書・書画用として歴史的に数千点以上残ってきたインドネシアの樹皮紙は、画像の様に透ける薄さのものもあり、美しく上質のものがほとんどです。
 世界の樹皮紙/布の源流は中国南部と考えられ、今から7,000年前頃に遡れることが、最新の考古学調査研究で明らかになってきました。そして、今後物証が増えてくると思われますが、4,000年前頃にはBeaten Bark sheetに透かし模様(お札の透かし模様のように、光にかざさないと識別できない)を加工する技術や精神的な意義づけが認められます。
 今回、百聞は一見に如かずという諺のように、世界で一番多くBeaten Bark Paperの文書・書画が残るインドネシアの収蔵品を多く見ていただき、1年間の国際交流基金アジアフェローの様々な成果と共に学び合いたいと考えます。
1、スラウェシのBeaten Bark 製の占いカレンダーKutika の反射光画像1 
2、Kutika の透過光画像2 
3、Wayang Beberの透過光画像( 厚さ0.07mm で4m ほどの長さ)3 
4、ソロ王宮秘蔵イスラム樹皮紙文書 内表紙4 
5、上記樹皮紙文書を透過光で観察5 
6、ジャワ語樹皮紙文書 インドネシア国立図書館(PNRI)所蔵番号KBG666A6 
7、インドネシア国立図書館主催 第26回国際文書セミナー配布CD
  「Daluang文書について」7 
8、イスラム樹皮紙文書の厚み計測0.04mm PNRI収蔵番号ML129B8 

【この写真は複写(転載)禁止です】

 

■ 講師略歴
坂本 勇(さかもと いさむ) 1948 年兵庫県生まれ
1984-85 年 デンマーク国政府奨学金給付研究員としてオーフス大学、国立博物館に派
      遣デンマーク王立アカデミー修復保存技術学院に留学しディプロマ授与
1988 年6 月 TRCC 東京修復保存センター創設
1995 年1 月 阪神淡路大震災地元NGO救援連絡会議文化情報部創始
2005 年1 月 アチェ津波被災政府重要公文書の救出・復旧を日本政府の支援で実施
2011 年3 月 東日本大震災時の大船渡、気仙沼の法務局被災登記簿の救出・復旧を法
       務省の依頼で実施

小津和紙ご案内200

月例会見学ご希望の方々へ

見学希望の方は、12月14日(木)まで、添付「Web申し込み書」に必要事項を記入の上、下記例会委員専用アドレスへ添付してお送り下さい。entry@washiken.sakura.ne.jpまた、HP担当の日野宛に「FAX申し込み書」(03-3759-7103)でお申し込み下さい。見学詳細はこちらからご連絡いたしますので、必ずご連絡先を明記して下さい。もし明記がない場合は受付できません。なお、当日見学代として1,000円ご用意下さい。また、見学者が多い場合はお断りすることもありますので、お早めにお申し込み下さい。

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◆ 12月例会
  日 時:12 月16日(土)13:30 ~17:0 0   
  会 場:小津和紙本社ビル 6階会議室
  13:00 ~ 13:30 フリートーク
            ※会員相互の情報交換の時間としてご利用ください。
  13:30 ~ 14:40 2017年度 第5回 宍倉ゼミ 宍倉佐敏 会員(下記参照)
  14:40 ~ 14:50 休憩 
  14:50 ~ 16:40 招聘講師 島尾 新 発表(下記参照)
  16:40 ~ 16:50 事務連絡
  16:50 ~ 17:00 事務連絡・片付け・退出

  ■ 忘年会
  17:20 ~ 19:20 忘年会  見学者も含め参加自由
  食べ放題飲み放題で3,300 円 当日受付可  幹事:水木喜美男会員

※当日の進行状況により、スケジュールが多少前後する場合がございます。予めご了承下さい。

 

2017年度 第5回 宍倉ゼミ      プロジェクター・DMS使用予定
題名:「和紙の歴史 近代の和紙 1
   『機械抄紙が始まり、我が国には和紙と洋紙の二種の紙が誕生した』」
               女子美術大学特別招聘教授 宍倉佐敏 会員
 明治維新のあと農民は「つくらされる紙」から「つくる紙」に体制は変換したが、県当局の姿勢に左右され廃業する産地、紙漉き機具などの改良で生産量が拡大した産地が生まれ、薄い特殊な和紙はヨーロッパの人々に絶賛されて輸出も多くなった和紙業界に、洋紙と言う大きなライバルが登場した。
当初は化学薬品・漂白剤・ピーター分散・ジャッキー脱水・鉄板乾燥などの器具を応用して洋紙に対応したが、活字印刷と機械製紙の技術は文明開化を進める政府には大きな魅力で、稲藁や木材の大量パルプ化が確立され使用されると、和紙は生産方法や販売方針を変える必要に迫られた。
そこで明治中頃に行った和紙業界の量産対策や初期の国産切手の様子を見てみよう。

 

会員発表                PC・プロジェクター・DMS使用予定

題名:「水墨画の絵画史について」        
                          島尾 新 招聘講師
古画に用いられている紙の探究は、修理時に行われる材質特定以外には、ほとんど進んでいない。修理時の分析も、繊維を抽出してのものが多く、紙の全体的な性格は分からない。発表者は水墨画の歴史を研究しており、用いられている紙の種類だけでなく、紙の性質による墨の乗り方・滲み方など、表現への繋がりに興味を持っている。調査を開始したばかりでサンプル数は少なく、紙についての知識も浅いが、方法論をある程度確定するためにも、調査結果を報告してこの方面での紙研究の方向性を示し、専門家からのアドヴァイスを頂きたいと思う。

■ プロフィール
島尾 新(しまお あらた) 美術史家。学習院大学教授、根津美術館理事。
専門は中世絵画史で、水墨画の歴史とくに雪舟を中心に研究しており、著書に「水墨画と語らう」(新潮社)「すぐわかる水墨画の見方」(東京美術)「雪舟の山水長巻」(小学館)など。

小津和紙ご案内200

月例会見学ご希望の方々へ

見学希望の方は、10月16日(木)まで、添付「Web申し込み書」に必要事項を記入の上、下記例会委員専用アドレスへ添付してお送り下さい。entry@washiken.sakura.ne.jpまた、和紙研事務局に「FAX申し込み書」(03-5685-780)でお申し込み下さい。見学詳細はこちらからご連絡いたしますので、必ずご連絡先を明記して下さい。もし明記がない場合は受付できません。なお、当日見学代として1,000円ご用意下さい。また、見学者が多い場合はお断りすることもありますので、お早めにお申し込み下さい。

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◆ 11月例会
  日 時:10 月18 日(土)13:30 ~17:00   
  会 場:小津和紙本社ビル 6階会議室
  13:00 ~ 13:30 フリートーク
           ※会員相互の情報交換の時間としてご利用ください。
  13:30 ~ 14:40  2017 年度 第4回宍倉ゼミ宍倉佐敏 会員(下記参照)
  14:40 ~ 14:50 休憩 
  14:50 ~ 16:40 招聘講師 河野徳吉 発表(次頁参照)
  15:50 ~ 15:55 休憩
  16:40 ~ 16:50 事務連絡
  16:50 ~ 17:00 片付け・退出 

※当日の進行状況により、スケジュールが多少前後する場合がございます。予めご了承下さい。

 

2017年度 第4回 宍倉ゼミ        PC・プロジェクター・DMS使用

題名:和紙の歴史 近世の和紙4「紙漉重宝記」は紙漉きの基礎か?江戸時代の旅人の持つ紙は?          
               女子美術大学特別招聘教授 宍倉佐敏 会員

多くの和紙産地を訪問して手漉きの様子を見てみると、製法が各産地内だけでなく個人的にも異なる事を感じた。
ある著名な紙漉き職人が話していた「紙造りの基礎がしっかり出来ている人は長続きするが、基礎のない人は早めに止める」と、職人の言う紙造りの基礎とは何かについて、国東治兵衛が刊行した「紙漉重宝記」の説明と、私が学んだ洋紙の製紙法を比べて考えてみる。
江戸時代に盛んだった、伊勢参りや物見の旅には多くの紙が使われたと言われている、これらの紙がどのようなものかを東海道の旅を中心に検討した。

 
会員発表                  PC・プロジェクター使用

題名「和紙の流通史(商人史)」   
                         河野德吉 招聘講師

 福井県の豪商・内田吉左衛門は、越前奉書紙の有名な判元で、京都、大坂、江戸に供給していた。その商業感覚は優れていて、紙だけではなく蝋、糸、布、酒、茶、絵具、金属等取扱う大商人で、現代で言うと総合商社のようなものであった。内田家の商業活動は、江戸時代を通して行われた。また、江戸時代において、漉かれた紙は、各藩にとって重要な収入源で、江戸や大坂の蔵屋敷を経由して問屋等に売却されていた。今回は、内田吉左衛門の商業活動を中心に、江戸時代の和紙の流通史・商人史を見ていく。

■ プロフィール
河野 德吉(こうの とくよし)公益財団法人 紙の博物館評議員
慶応義塾大学文学部卒、文学博士
1950年、製紙記念館(現 紙の博物館)設立に携わる。1969年、アメリカ国務省に招聘。
国際医学情報センター評議員、東京国立博物館客員研究員等を歴任。
現 東京都市大学名誉教授、紙の博物館評議員。和紙に関する著書多数。

小津和紙ご案内200

月例会見学ご希望の方々へ

見学希望の方は、10月19日(木)まで、添付「Web申し込み書」に必要事項を記入の上、下記例会委員専用アドレスへ添付してお送り下さい。entry@washiken.sakura.ne.jpまた、HP担当の日野宛に「FAX申し込み書」(03-3759-7103)でお申し込み下さい。見学詳細はこちらからご連絡いたしますので、必ずご連絡先を明記して下さい。もし明記がない場合は受付できません。なお、当日見学代として1,000円ご用意下さい。また、見学者が多い場合はお断りすることもありますので、お早めにお申し込み下さい。

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◆ 10月例会
  日 時:10 月21 日(土)13:30 ~17:00   
  会 場:小津和紙本社ビル 6階会議室
  13:00 ~ 13:30 フリートーク
           ※会員相互の情報交換の時間としてご利用ください。
  13:30 ~ 14:40 2017年度 第1 回増田ゼミ増田勝彦 副会長(下記参照)
  14:40 ~ 14:50 休憩 
  14:50 ~ 15:50 北村春香 会員(下記参照)
  15:50 ~ 15:55 休憩
  15:55 ~ 16:40 未定
  16:40 ~ 16:50 事務連絡
  16:50 ~ 17:00 片付け・退出 
※当日の進行状況により、スケジュールが多少前後する場合がございます。予めご了承下さい。

 

 

2017年度 第1回 増田ゼミ         プロジェクター・DMS使用
題名:パピルスについて
                  和紙文化研究会副会長 増田勝彦

 パピルスについて出来るだけ広く話をしようと思います。
 研究会会員にとってのパピルスはなんと言っても、書写や描画の材料ですが、古代エジプトでは生活の様々な場面で利用されていた万能とも言える資材だったようです。例会では、入手が容易になったパピルスを巻き込み、折り曲げなどをして手触りの感触を味わって頂きます。現代にパピルスをよみがえらせたラガブ博士による製作法と博士の事績、各国で行われている和紙を使ったパピルスの保存処置を紹介します。現在お土産品として喜ばれているパピルスについても少し話します。
1 シシリー島のハヒルス増田 1 シシリー島のパピルス
2 ラカフ氏ハヒルス繊維を持つ増田 2 ラガブ氏 パピルス繊維を持つ
3 大英博増田 3 大英博

 

 

会員発表                  PC・プロジェクター使用

題名「東京手すき和紙工房の活動」   
                                北村春香 会員

 東京手すき和紙工房は、あきる野ふるさと工房を退職してから本格的に稼働し始めました。ふるさと工房では中国産楮、土佐楮、地元楮を使用し自家製のトロロアオイで紙すきしていました。地元産楮100%にするには現状なかなか難しく、お客様も手間よりも値段というのが多勢でした。自分の中では原料や水にこだわった和紙づくりをしたいという思いがあり、独立を機に少しずつその思いを実行しています。私自身、何故和紙を作る仕事を選んだのか…それはとても単純なことでつまり「自然との対話」ということになると思います。具体的には楮の実を食べて和紙に共通する滑り気を感じたり、トロロアオイの世話で炎天下草むしりに汗をかいたり、手打ちした楮が水に溶ける瞬間の感動だったり、捨て水や板干しからはがす紙の音だったりする。
 和紙の心地よさを知ってしまったからには、誰かに伝えたいと思うのが基本的な立ち位置で、今はあきる野や檜原村の仲間たちと原料の栽培や手入れをしながら和紙が少しでも身近に感じられるよう試行錯誤している。新築の家主さんと楮原料の刈り取りから障子張りまでしたり、林業家さんの襖を作る際、山の杉皮を漉き込んだ和紙にしたり…多摩産材を求めるお客様もいらっしゃるので内装材としての可能性を探っている。また、檜原村の湯久保宿では、在来種のムラサキを地域資源として活用する際、和紙と融合させて特産品にならないか模索している。
 以前からのライフワークである東京都内の楮を探す散歩が楽しい。あきる野市、檜原村、日の出町はもとより青梅市、八王子市、府中市、国分寺市、東村山市、小平市、新宿区、台東区、世田谷区、中央区などで見かけた。元地理学科としては地図化し、公開する予定で準備している。

■プロフィール
1993 年~ 石川県の能登仁行和紙、奈良県の福西和紙本舗、東京都東村山の田村正氏の元で修行を積み、2006 年~ 2015 年まであきる野ふるさと工房で東京都無形文化財に指定された軍道紙( ぐんどうがみ) を漉いて技術を習得し独立。軍道紙の素朴な伝統を守りながら、工夫して今の時代の和紙、原料や水にこだわった和紙を作っていきたい。和紙文化研究会会員。
ht tps: / / tokyo- tesukiwashikobo. j imdo.com/
tokyo. tesukiwashi@gmai l .com

 

1 野生化した楮の手入れ北村 1
2 楮の刈り取り 北村 2
3 トロロアオイ畑北村 3
4 檜原村での紙すき北村 4
5 アネピートリムパークラボでの紙すき体験北村 5
6 刈り取りから始めた障子張り北村 6
7 あきゅらいずタイニーハウスの壁紙北村 7
8 藤本染工芸の型染め作品北村 8

 

 


小津和紙ご案内200

 

月例会見学ご希望の方々へ

見学希望の方は、9月14日(木)まで、添付「Web申し込み書」に必要事項を記入の上、下記例会委員専用アドレスへ添付してお送り下さい。entry@washiken.sakura.ne.jpまた、HP担当の日野宛に「FAX申し込み書」(03-3759-7103)でお申し込み下さい。見学詳細はこちらからご連絡いたしますので、必ずご連絡先を明記して下さい。もし明記がない場合は受付できません。なお、当日見学代として1,000円ご用意下さい。また、見学者が多い場合はお断りすることもありますので、お早めにお申し込み下さい。

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◆ 9月例会
  日 時:9 月16 日(土)13:30 ~17:00   
  会 場:小津和紙本社ビル 6階会議室
  13:00 ~ 13:30 フリートーク
            ※会員相互の情報交換の時間としてご利用ください。
  13:30 ~ 14:40 2017 年度 第3回宍倉ゼミ宍倉佐敏 会員(下記参照)
  14:40 ~ 14:50 休憩 
  14:50 ~ 16:40 「アメリカ議会図書館の保存修復」竹内真寿美会員
  16:40 ~ 16:50 事務連絡
  16:50 ~ 17:00 片付け・退出
※当日の進行状況により、スケジュールが多少前後する場合がございます。予めご了承下さい。

 

 

2017年度 第11回 宍倉ゼミ         プロジェクター・DMS使用
題名:和紙の歴史・近世の紙-3

「和紙の歴史 近世の和紙 -3『ワラで紙ができたのは何時頃、その製法は、紙質の特徴は、洋紙にも使うの?』」
                女子美術大学特別招碑教授  宍倉佐敏

 正倉院文書の中にワラ紙と思われる名称が出てくるが、製法も紙の現物も観えない。中国では竹紙と共に、ワラ紙も8 世紀頃にはつくられていたと思われる文章があるが、原料はイネかムギかも定かではない。
 中国のワラ紙は竹紙同様にレッチング法で繊維化していたが、化学製品が発明され薬品蒸煮法が採用されて今日に至っているが、初期のワラ紙は繊維が短く、ヘミ・セルロースが多いので、紙は脆弱で単独では良質紙に成り難いので他の繊維に混合して使用された。
 世界中に繁茂する草や藁類の繊維を茎幹繊維と呼び、各地で特色ある紙を製造していることも話題にする。

 

会員発表                  PC・プロジェクター使用

題名「アメリカ議会図書館の保存修復」   
                               竹内真寿美会員

 アメリカ議会図書館(LC)はアメリカ合衆国の国立図書館であり、世界最大規模のコレクションを所蔵しています。そのコレクションは幅広く、国内外の図書、写本、新聞、版画、地図、写真、視聴覚資料などが含まれます。その膨大なコレクションの永続的な保存・利用を目指した
 活動を行っているのが資料保存部門( Preservation Directorate)であり、コレクションの保存対策を行っている部やデジタル化などの資料の代替化を行っている部などの4 つの部(Division)からなります。2015 -16 年にかけて、その資料保存部門の中の1 つ、コンサベーション部(Conservation Division)での研修により、本と紙本( 版画、ポスター、手稿など)の資料保存の作業に携わる機会に恵まれました。
 コンサベーション部の業務内容は、傷んだ資料の修復処置の簡易修理から本格修理、さらに保管環境の管理や資料の適切な容器への収納、利用者の資料の取り扱い方の指導など様々です。コンサベーション部での研修経験をもとに、LC がどのように資料保存に取り組んでいるのか、また保存修復作業ではどのような和紙がどのように使われているのかを実際に行った修復事例をもとに紹介します。

 

【講師プロフィール】
竹内真寿美 (MASUMI Takeuchi)
2001~2003 ランビエンテ修復芸術学院にて紙作品修復を学ぶ。
2004    イタリア フィレンツェにある Istituto per l’arte e il restauro
      Palazzo spinelli に留学。
2005~2006 ランビエンテ修復芸術学院にて助手として勤務。
2007~2015 (株)Conservation for Identity(旧アトリエ・スズキ)にて勤務。  
      書籍や紙資料の修復を手がける
2015~2016 米国議会図書館 conservation部門 にてレジデント(研修生)とし
     て勤務。
2016~   独立。現在に至る

 

1: リーフキャスティング1  
2: 没食子インクの処置 2