◆和紙情報

「和紙の里」35号紹介

編集・発行:越前和紙を愛する会
発行日:平成26年7月20日
判型:B5判
装幀:並製 60頁
附録:油団の裏打用紙「傘紙」見本・加藤翠峰さん「風俗点描」図

「あとがき」の最後で藤本正晃編集長は「久々に越前和紙が海外に飛び出すなど、社会の変化に応じた新たな動きがありました。確かな伝統技術の中から新たな用途に適応できる和紙の創出に向かって精進がなされるよう期待したいものです。」と記されています。和紙の未来にとって大切なことであり、興味深い論文や報告が多数掲載されています。

〈目次〉
「越前和紙の製作用具及び製品」の指定と保護  菊池健策
指定の意義とその後は…                石川満夫
「越前手漉和紙用具製作技術保存会」を設立   石川 浩
全国屈指の民家庭園                        藤原武二
日本の夏 油団の涼                          神野善治
大瀧神社所蔵「社殿絵図」の調査              吉田純一
日本近世の建築図面                        後藤久太郎
「カジの木の会」和紙の里交流記                川崎 博
越前和紙の郷 交流・見聞録                   河野徳吉
「越前和紙」の『和』は、「調和」の『和』                 奈良正博
和紙文化の奥深さに感動                     小泉悦夫
和紙の里を訪ねて                            大久保智弘
越前和紙に魂が宿る                          平岩典子
和紙を愛する会研修紀行 加賀の紙郷をいく    佐々木哲夫
和紙の里に生きる『今の時代』をつかむ            山下寛也
トピックス 5点
あとがき

問合せ:
〒915-0234 福井県越前市大滝町11-11 福井県和紙工業協同組合内
電話0778-43-0875 Fax0778-43-1142

和紙の里 表紙

 

「越前和紙 紙漉工場マップ」発行
越前市の五箇地区まちづくり協議会では、紙漉工房の町並みを散策できるマップを作成して好評を得ています。56工房の名前と紙種のリストとA3判の地図をご紹介します。

(画像をクリックすると拡大画像が表示されます)
マップ表紙 

紙漉工場 リスト

マップ 道並み

月例会見学ご希望の方々へ

見学希望の方は、9月17日(水)まで「添付申し込み書」に必要事項を記入の上、事務局へ月例会担当の日野宛にFAX(03-3759-7103)でお申し込み下さい。見学詳細こちらからご連絡いたしますので、必ずご連絡先を明記して下さい。もし明記がない場合は受付できません。なお、当日見学代として1,000円ご用意下さい。また、見学者が多い場合はお断りすることもありますので、お早めにお申し込み下さい。

FAX 申し込み書<Wordファイルです>

月例会
日 時:9月20日(土)
13:30~17:00 会 場:小津和紙本社ビル 6階会議室
13:00~13:30 フリートーク
13:30~14:30 日常の和紙4
「江戸からくり屏風の伝統と作り方」(下記参照)
14:40 ~16:10 会員発表
「青苧と和紙 ~山形(大江町・西川町)における地域文化力の向上への取り組み~」 (下記参照)
16:10~16:20 休憩
16:20~16:50 「和紙文化in越前」石川 浩(福井県和紙工業協同組合理事長)
16:50~17:00 事務連絡・片付け・退出

会員発表                   PC・プロジェクター使用
題 名
「青苧と和紙~山形(大江町・西川町)における地域文化力の向上への取り組み~ 」

大山龍顕 会員

発表概要
近世から近代にかけて山間部を中心に特産であった青苧(苧麻)を、一度途絶えたものの復活させようという取り組みが山形の大江町という地域で行われている。青苧に関わる地域文化遺産保護への取り組みや、隣町(西川町)の紙漉き技術(三浦一之氏)の協力を得ながら、地元の特産をより身近な素材として認知できるよう、青苧による紙作りへの取り組みを行っている。今回は、これまで行った青苧の紙作りや、講習会、ワークショップなどについて報告して、地域での取り組みなど意見交換ができればと考えている。

写真 3点挿入 なお⑤は小さいと見えないので大きくして下さい。
以下キャプション

① 刈り取った青苧の表皮を剥ぐ
①表皮を剥ぐ

② 青苧のはがき作成ワークショップ
②はがき ワークショップ150

③ 紙(楮)漉き講習会の様子
③講習会 150

【会員プロフィール】
大山龍顕(おおやま たつあき) Tatsuaki OYAMA
東北芸術工科大学文化財保存修復研究センター専任講師・研究員(東洋絵画修復)

 

日常の和紙 4
題名「江戸からくり屏風の伝統と作り方」     田中正武 会員

屏風は扇(各面)同士は接続しておらず、和紙の蝶番によって開閉できる構造になっています。和紙のしなやかさで強靭である特徴のなせる技と言えます。これを応用して粋な遊びの世界を作り出した江戸人。今見ても新鮮で子供のように食い入って見てしまいます。今回の日常の和紙は江戸から9代続く大経師の伝統を引き継ぐ田中会員にこの屏風の解説、作り方を教えていただきます。希望者4?5人には実際に製作体験もできます。
下の写真は講習会で、そのからくり具合を理解してもらうために模様のついた紙を配した体験型の屏風例です。上下2種ありますが、一つのものをタテとヨコから見ている写真であり、①の閉じた状況から右に向って②③④と広がる様子、最後の⑤は①を後方に360度折り返した状態です。④は一般の屏風にはない機能でからくりならではです。
なぜ、タテとヨコに、また360度開くのでしょう?この不思議な江戸の世界へどうぞお越し下さい。

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(画像をクリックすると拡大画像を表示できます)

 

「和紙文化in越前」     石川 浩 福井県和紙工業協同組合理事長
11月に越前市で開催する和紙文化in越前実行委員長でもある石川 浩さんが、今月の月例会に出席し、会場となる越前市今立の状況などのご報告と紙の見本帳などいくつか持参いただき日頃目にすることができない紙をご紹介いただく予定です。是非ともおおくの方々にご覧いただきますようお願いいたします。

小津和紙ご案内250