11月2016
◆会員情報
因州和紙フォーラム ~因州和紙のこれからを語る~ 増田勝彦会員 関係
さる10月15日(土)青谷地区にぎわい創出実行委員会主催で鳥取市のとりぎん文化会館を会場としてで行なわれました「因州和紙フォーラム」に当会副会長の増田勝彦先生が講師として招かれました。会場のフリースペースコーナーでは、手すき和紙製作技術&因州和紙の歴史をパネル・資料等が紹介され、因州和紙製品と因州和紙剪画(切り絵)や版画も展示されました。盛会の様子が新聞に掲載されましたのでご紹介いたします。
講 演「伝統と革新―古代から現代までつづく和紙の技術とデザイン―」
講 師:増田勝彦氏(和紙文化研究会副会長)
パネルディスカッション:「日本の手漉き和紙と因州和紙のこれからを語る」
パネラー:増田勝彦 氏(講演講師)・小野寺マヤノ 氏(剪画作家)・中森 祥 氏(鳥取県教育委員会事務局文化財課係長)・長谷川憲人氏(因州青谷こうぞ紙手すき和紙保存会会長)
コーディネーター:濵谷康郎 氏(鳥取県産業技術センター名誉研究員)
後援:鳥取県・鳥取県教育委員会・鳥取市など
関連HP
http://www.city.tottori.lg.jp/www/contents/1475132288090/index.html
http://www.tottori-inaba.jp/new-events/2016/10/post-718.html
2016年11月17日 |
トピック:会員情報
◆会員情報
発表会 第16回 東京藝術大学保存科学研究室発表会開催
稲葉政満 会長関係
日 時:2016年11月17日(木) 13:00~17:10
場 所:東京藝術大学 美術学部 第1講義室(中央棟1F)
(〒110-8714 東京都台東区上野公園12-8 )
交 通:JR上野駅(公園口)下車 徒歩10分
営団地下鉄千代田線 根津駅下車 徒歩9分
問合せ:TEL:050-5525-2285 FAX:03-5685-7780(桐野まで)
E-mail:fkirino@fa.geidai.ac.jp
参 加:一般の方も可。詳細は添付資料参照して下さい。
12、年報
年報
2016年11月9日 |
トピック:会員情報
◆会員情報
展覧会 生誕300年 「若冲の京都 KYOTOの若冲」 景山由美子・山本順子会員 関係
会 場:京都市美術館(京都市左京区岡崎円勝寺町124 岡崎公園内)
日 時:2016年10月4日(火)~12月4日(日)9:00~17:00
入場料:大人1,200円 高大生1,000円 小中生500円
記念講演会:
11月12日(土)「若冲にとって京都とは何か・」 狩野博幸(美術史家・本展監修者)
ワークショップ
11月19日(土)「筒描きで若冲のミニ屏風を作ろう」青木聡子(染織家兼デザイナー)
本年は伊藤若冲生誕300年にあたり、各地で展覧会・講演会が行なわれておりますが、昨年11月の和紙文化講演会で山本会員関連の作品をDMSで紙繊維の分析診断、今年4月には和紙研月例会でも「〈生誕300年〉伊藤若冲が好んだ画紙について」という発表が景山由美子会員からありました。その発表は筋目書きなどの単色の水墨作品で若画冲が使った紙がどういうものだったかという、これまでにない視点で興味深く、新しい知見が得られました。その発表で調査した作品が本展に出品されているようです。
この展覧会も残るところあと20日あまりとなりましたが、大勢の観覧者でにぎわっているようです。展示替えもあるので全部見れないのが残念ですが、先日お邪魔した時は彩色画も墨拓画もある中で、墨画が多かったように思いました。前述したように和紙研で「紙」という視点の考察が行なわれているので、それを頭において拝見することにしました。
様々な題材の作品がありましたが、鶏図と鯉図が多く,鯉図は一面に10点、まさに壮観。他にも鷹・鶴・亀など、筋目書き・にじみ・ぼかしなど、墨色も様々で特に「眼」を見ていると、瞳がくっきりとして周囲が薄墨で巻かれていたり、わずかなにじみがグラデーションになったり、すっと引き込まれていきそうになることもあり、表現の多彩さが眼だけからでも感じました。
紙色は照明の関係や保存性のこともありますが、現在の宣紙のように真っ白く感じるもの、少し黄色味のあるものや二番唐紙に近い黄色味の強いもの、清朝代の墨画によく目にする薄墨を塗ったようなグレー調のもの、茶色味があるものなど何種類にも感じました。元がそういう状態であったかわかりませんが、そこに墨が加えられれば(もし何種もの墨であったならさらに)表現も大きく変わることになるでしょう。また、にじみ方の違いもあり、紙と墨にプラス若冲の技術と感性があのような素晴らしい作品群を創り出したのだろうと、岡崎公園を後にしました。
まだ観覧されていない方があれば、「紙」という新しい視点で、他の作品も含めて、若冲芸術をご堪能下さい。(日野)
関連HP
https://www2.city.kyoto.lg.jp/bunshi/kmma/exhibition/2016_7_fiscal_Jakuchu.html
http://www.mbs.jp/jakuchu-kyoto/
関連出版予定
来月刊行予定『和紙文化研究24号』に「若冲が愛した画紙について」(景山由美子著)が掲載されます。発行しましたら本HPでお知らせいたします。ご購入などの方法はその時にお知らせいたします。
2016年11月9日 |
トピック:会員情報
月例会見学ご希望の方々へ
見学希望の方は、11月16日(水)まで、添付「Web申し込み書」に必要事項を記入の上、下記例会委員専用アドレスへ添付してお送り下さい。
entry@washiken.sakura.ne.jp
また、HP担当の日野宛に「FAX申し込み書」(03-3759-7103)でお申し込み下さい。見学詳細はこちらからご連絡いたしますので、必ずご連絡先を明記して下さい。もし明記がない場合は受付できません。なお、当日見学代として1,000円ご用意下さい。また、見学者が多い場合はお断りすることもありますので、お早めにお申し込み下さい。
FAX 申し込み書<Wordファイルです>
◆ 11月例会
日 時:11 月19 日(土)13:30 ~17:0 0
会 場:小津和紙本社ビル 6階会議室
13:00 ~ 13:30 フリートーク
※会員相互の情報交換の時間としてご利用ください。
13:30 ~ 14:40 2016年度 第4 回宍倉ゼミ宍倉佐敏 会員(下記参照)
14:40 ~ 14:50 休憩
14:50 ~ 16:30 会員発表 稲葉政満会長(次頁参照)
16:30 ~ 16:45 事務連絡
16:45 ~ 17:00 片付け・退出
2016年度 第4回 宍倉ゼミ 〈PC・プロジェクター・DMS使用〉
題 名:和紙の歴史 古代の和紙 その4 「楮の研究」
女子美術大学特別招聘教授 宍倉佐敏 会員
今月は先月に引き続いて「コウゾ」について勉強します。
日本で開発された紙の最初の原料はコウゾであった。これは多くの歴史が証明している。天然の物が半栽培を経て完全な栽培種が各地に多く生まれた。
コウゾは紙以外にも多く使われ特に「太布」と呼ばれる織物は農山村では重要な普段着であった。
紙に使われるコウゾの繊維は西洋や中国・アジアには無い独特の製紙原料で、耐久性は高いが、繊維以外の不純物が混入しているので、場合によると他の繊維に見られない弱点もある。
全国各地の特徴あるコウゾの栽培を観察してコウゾの本質を研究しましょう。
前回同様にDMS(デジタルマイクロスコープ)とプロジェクターで繊維拡大写真を観察する。
また、「和紙文化研究6号」(下記参照)の「麻の研究」も御参照下さい。
6、那須楮(ソーダ灰煮100xDMS画像)
8、八女楮(ソーダ灰煮100xDMS画像)
「繊維判定用 和紙見本帳」(2008年 紙の温度(株)発行)より
会員発表 PC・プロジェクター使用
題 名「因州和紙における半自動式と巻全自動式紙漉き」
稲葉政満 会長
手漉き和紙の省力化は大きなテーマである。明治に入り、高知の吉井源太は8枚漉きの漉簀を導入した。私は、手漉きの半自動化と完全自動化そして機械漉き和紙の開発について調べてきた。本年度の和紙文化研究会の産地見学で鳥取県の因州和紙を訪問予定であるので、この機会に手漉きの抄紙工程の省力化についての流れを紹介したい。
抄紙工程の省力化装置が活躍しているのは山梨県の西島と、鳥取県の因州である。共に画仙紙の産地である。半自動式のルーツは岡山県津山で1954年に開発された中尾式廻流紙漉装置である。岐阜県の後藤鉄工所と岐阜県製紙試験所は1970年ころに岐製紙式湿紙構成装置を販売している。西島の笠井成高は1968年頃にセーコー式を開発している。因州では青谷の中原商店が後藤式を購入している。その後、因州では回流式、(因州)流動式が開発され、さらに全自動手漉き装置である大野・松木園式と中小企業事業団式(鳥取工業試験場)をも完成させている。
例会ではこの手漉き和紙の省力化の流れをおい、その特徴と問題点について述べる。
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2 手すき自動化抄紙機3 大野・松木園式 【自動和紙抄造装置平2-216293(1990)より引用】
2016年11月8日 |
トピック:例会