月例会見学ご希望の方々へ
見学希望の方は、10月17日(木)まで、添付「Web申し込み書」に必要事項を記入の上、下記例会委員専用アドレスへ添付してお送り下さい。 entry@washiken.sakura.ne.jp また、事務局宛に「FAX申し込み書」(03-5685-7780)でお申し込み下さい。見学詳細はこちらからご連絡いたしますので、必ずご連絡先を明記して下さい。もし明記がない場合は受付できません。なお、当日見学代として1,000円ご用意下さい。また、見学者が多い場合はお断りすることもありますので、お早めにお申し込み下さい。
FAX 申し込み書<Wordファイルです>
◆ 10月例会
日 時:10月19日(土)13:30 ~17:00
会 場:小津和紙本社ビル 6階会議室
13:00 ~ 13:30 フリートーク
※会員相互の情報交換の時間としてご利用ください。
13:30 ~ 14:40 第7回増田ゼミ 増田勝彦 会員(下記参照)
14:40 ~ 14:50 休憩
14:50 ~ 16:40
「現代に生きる“手漉き紙と芸術表現” の研究 ~サマルカンド紙の
復興を中心に~」柴崎幸次(愛知県立芸術大学教授)他(下記参照)
16:40 ~ 16:50 事務連絡
16:50 ~ 17:00 片付け・退出
※当日の進行状況により、スケジュールが多少前後する場合がございます。予めご了承下さい。
第7回 増田ゼミ P C・プロジェクター使用
題 名 「紙漉き図で探る江戸の技術」
増田 勝彦 副会長
関義城氏が収集した紙漉き図には、現在では見ることが出来ない江戸時代の道具立てと作業風景が描かれています。それらの図を検討して、これまで研修会で多くの紙漉きを見学してきた会員の経験を生かして、江戸時代の紙漉き技術を推測しましょう。
以下の紙漉き図を対象に検討したいと思います。
1.「日本山海名物図会」宝暦四年(1754)
2.木崎攸軒「紙漉大概」天明四年(1784)
3.紙漉諸道具大概
4.「紙漉重宝記」寛政十年(1848)
4.女大学宝箱 貝原益軒作 文化十一年(1814)
5.止戈枢要 文化十一年~文政五年(1815-22)
6.越前紙漉図説 明治五年(1872)
7.岐阜県下造紙之説 明治五年(1872)
8.四国産諸紙之説 明治五年(1872)
9.阿波国雁皮紙製造の発端 明治五年(1872)
10.紙漉工程の起し絵 明治八年(1875)
11.雁皮紙製造一覧 明治九年頃(1876)
12.大日本物産図絵(越前国奉書紙製之図) 明治十年(1877)
13.美濃紙抄製図説 明治十三年(1880)
14.広益農工全書 明治十四年(1881)
15.農家小学読本附製造問答 明治十五年(1882)
16.工業小学 明治十五年(1882)
17.鷲子紙百帖 明治二十年(1887) 頃
その他
招聘講師発表 PC・プロジェクター使用
題 名 「現代に生きる“手漉き紙と芸術表現” の研究
~サマルカンド紙の復興を中心に~」
愛知県立芸術大学教授 柴崎幸次 講師他
ウズベキスタンのサマルカンド紙は、硬筆によるカリグラフィー(書)、ミニアチュール(細密画)の支持体として最も美しい紙と伝えられてきたが、その製紙技術は約200年前に途絶え現在もその実態は明らかになっていない。製紙技術の歴史を見ると、中国から東方へは技術改良された製紙法が広く伝播し、植物靱皮による原料の探求や用途に合わせた紙とその加工(滲み止め)など、そこに書かれる表現とともに発展し文化の礎を築いてきた。一方西方へは、8世紀後半以降、製紙技術がサマルカンドへと伝わり、西アジアから北アフリカなどイスラム文化圏において美しく精巧な表現が追求され、その後500年の時を経て西洋に伝播し、初期のリネンやコットンを使った西洋紙へ発展したといわれている。
本報告では、2017年より実施のサマルカンド紙の研究において、“紙と芸術表現”という観点から、サマルカンド紙研究の報告や試作実験、芸術表現としてのミニアチュールの技法、顔料などの研究、写本の修復問題、および紙の伝播に関する検証、参考にすべきアジアの紙、中国紙の研究方針を報告する。
『世界の紙の伝播とサマルカンド紙』 柴崎幸次
『サマルカンド紙の復元試作』 浦野友理(同大学非常勤講師)
『海外調査報告―ミニアチュールを中心に』 鈴木美賀子(同大学非常勤講師)
『ウズベキスタン絵画における絵具の分析結果』岩田明子(同大学非常勤講師)
『イスラーム写本の修復』 大柳陽一同大学非常勤講師)
『アジアの紙、中国紙について』 周ギョキン(同大学博士前期課程2年)
『研究の展開―ディープラーニングによる紙質調査』
神谷直希(愛知県立大学准教授)
1 本研究のタイトル画像
2 11月16日に実施する、国際セミナー 紙と芸術表現 “ウズベキスタンのサマルカンド紙、イスラーム写本、ミニアチュールを知る”バナー。
左から、200年前に漉かれていたサマルカンド紙、ブハラで制作された精細なミニアチュール、修復された古い写本、サマルカンド氏の透過写真。
3 サマルカンド紙とはどのような紙か。主にウズベクキスタンなどの地域で作られた様々な紙の写真。
4 愛知県立芸術大学の紙漉きと、サマルカンドのコニギルメロス工房。
この工房では伝承にもとづきクワを原料にサマルカンド紙を漉いている。
5 調査研究の風景。ウズベキスタンで10世紀〜18世紀ころの、古い写本などの紙質調査許可を依頼する会議の風景。
■プロフィール
柴崎幸次(愛知県立芸術大学教授)
本研究発表の内容は、2017年4月~2020年3月まで、愛知県立芸術大学柴崎幸次研究グループが実施している、研究拠点形成事業B.アジア・アフリカ学術基盤形成型にて、実施しているサマルカンド紙の研究に関して、様々な和紙文化関係者からの教示を仰ぎたいと考えています。
2019年10月9日 | トピック:例会