和紙情報

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60年を経て特産復活 高級和紙の誇りつなぐ」      
 高知県黒潮町 中嶋久実子さん他
 2015年1月7日 高知新聞 水曜ミュージアムで掲載 

高知県内でも優れた和紙原料として知られる若山楮(昨年3月ロギールさんも例会で紹介)は、約60年前まで盛んに栽培されていたものが、その後衰退して1950年代までに生産農家が絶えてしまった。そんな若山楮に復活の兆しが見え始めたのが7年前、住民らでつくる黒潮町佐賀北部活性化推進協議会が10aの自生楮から取り組み今では50aまでになっている。毎年12月には黒潮町拳ノ川の「土佐佐賀温泉こぶしのさと」で地元の小学生も加わり蒸し剥ぎ作業が行なわれている。新聞にはハレハレ本舗の中嶋さんが黒皮を剥ぐ「へぐり」の光景、昔ながらの大きな桶を引き上げ中から白い湯気が上がっている所や蒸し上がった楮から参加者が皮を剥きとる所がカラーで掲載されている。
3年前黒潮町で猪に苦しめられながらも、過去に消滅してしまった産業を、自生する楮の保護・育成から復活させようと取り組み、伝統的工法で紙を漉く中嶋さんに出会い、和紙に対するそのエネルギッシュで情熱的な姿に心打たれたものであった。この記事を拝見してその時と変わらず、復活に取り組まれていることを知って、また力をもらったような気がする。

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第3回ミニ研修会のお知らせ
和紙文化研究会では和紙及び和紙周辺について研修旅行を行なっております。
この度は3回目の日帰り研修旅行を企画いたしました。一般の方々もこの機会にいかがでしょうか。

「紙と戦争 ―登戸研究所と風船爆弾・偽札―」(明治大学平和教育登戸研究所資料館で開催中)
期日:2015年2月28日(土)
場所:〒214-8571 神奈川県川崎市多摩区東三田1-1-1 明治大学生田キャンパス内
TEL: 044-934-7993 E-MAIL noborito@mics.meiji.ac.jp
アクセス―小田急線「生田駅」(準急・各駅停車)下車南口徒歩約10分
集合:資料館前に10時
解説:御前中、資料館担当者による企画展示解説予定、
資料情報提供:関野 勉 会員
申込み締切:2月の21日(土)
問合せ連絡先:小井川元慈044-788-7261まで

【和紙の姿展】ーEchizenwashiを創作するー 和紙文化in越前

「和紙の姿展」ーEchizenwashiを創作するーが和紙文化講演会や産地見学会に先駆けて11月15日(土)に開幕し、12月14日(日)まで1ヶ月間、卯立の工芸館全館にて開催されます。
 この展覧会は和紙文化研究会会員が中心となり、以下のようなジャンルの作家が、伝統性または創造性の中で越前和紙を使いその多様性と可能性を追求し、また再発見・再認識しようとするもので、老若男女全ての方に楽しんでいただける和紙関連の企画展としてはこれまでにないユニークな内容となっています。
 実際には13ジャンル17名の作家が50種以上の越前和紙を使い、100点程の様々な作品が展示されます。伝統的な復刻を手掛け過去の名品を再確認する作家、紙以外のものを同じ条件にしてそれらの紙の違いを比較検討する作家、既製の用途に拘らず色々な試みをする作家、新しい世界を切開いて行こうとする作家など、様々な取組みがなされており、明日へのヒントがたくさん隠れていると思います。
 「和紙文化in越前」のもう一つの柱である産地見学会が「紙の誕生」を知るものならば、この展覧会は “紙の用途”即ち芸術的・技術的な「紙の到達点」を考えることになり、多くの視点から紙を見ることができると思います。是非ともこの機会に多くの“和紙の姿”を見て紙について隣人と語り合ってみてはいかがでしょうか。

会場写真など別ページ【和紙文化in越前】http://washiken.sakura.ne.jp/admission/にて詳しく紹介しています。

期  間:2014/11/15(土)〜12/14(日)
会  場:卯立の工芸館 火曜休館(ただし、11月25日は開館)
      〒915-0232  福井県越前市新在家町9-21-2
      TEL:0778-43-7800
開館時間:9:00〜16:00

出品者とジャンル (会員=和紙文化研究会会員)

1 日本画(水墨)     中野嘉之(多摩美術大学教授) 招聘作家
2 日本画(素描)     長瀬香織(会員)
3 日本画(加飾)     大山龍顕(会員・東北芸術工科大学専任講師)
4 版画(木版画)     三井田盛一郎(会員・東京藝術大学准教授)
5 書             日野楠雄(松白)(会員)
6 書               杉本槑香(招聘作家・地元出身)
7 写真(プラチナプリント)西丸雅之(F・G・I)招聘作家
8 印刷(インクジェット)  水木喜美男(会員)
9 製本             櫛笥節男(会員・元宮内庁書陵部)
10 製本           吉野敏武(会員・元宮内庁書陵部)
11 和紙造形         青木真奈美(会員)
12 紙衣            岡嶋多紀 招聘作家
13 装飾品         黒須敬子(Cross Road)会員推薦
14 照明            岡嶋利英(会員)
15 からくり屏風       田中正武(会員・江戸表具師)
16 屏風           古牧平市(後援団体 東京表具経師内装文化協会)
17 紙布            佐々木理恵(招聘作家・鯖江市)

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一度は佇みたい、高知が誇る2代清流の一つ 仁淀川のほとりで
好評開催中‼
第9回高知国際版画トリエンナーレ展
会場:いの町紙の博物館http://kamihaku.com/access
〒781-2103 高知県吾川郡いの町幸町110-1
tel. 088-893-0886
会期:2014年10月11日(土)~11月30日(日) 9:00〜17:00まで
(入場は30分前まで)開館時間9:00〜17:00
休館日:月曜(祝日の場合は翌日休、12月27日〜翌1月4日休)
HP:http://kamihaku.com/winner/archive/9

概要
「芸術も多様化している現代において、もう一度原点に戻り、芸術を見直したい
そんな趣旨のもと、版画文化のさらなる発展を願って企画したのが「高知国際版画トリエンナーレ展」で、1990年から3年に1度開催されており、今日では、世界でも数少ない国際的な版画展の1つとなっており、また、実力ある作家が応募する公募展として海外からも注目されています。
第9回目となる今年は、55の国と地域から1,968点の応募があり、
厳正な審査の結果、選出された入賞作品20点、入選作品178点を展示します。世界に誇る日本の伝統文化である“和紙”、そして浮世絵などの木版画文化を有する日本で、和紙の代表的産地である高知で開催することの意義は大きく、ぬくもりあふれる紙の上で、豊かに表現される版画の世界は、多くの人の心を虜にすることでしょう。

第9回高知国際版画トリエンナーレ展 イベント案内

版画展チラシ表 版画展チラシ裏

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「和紙の里」35号紹介

編集・発行:越前和紙を愛する会
発行日:平成26年7月20日
判型:B5判
装幀:並製 60頁
附録:油団の裏打用紙「傘紙」見本・加藤翠峰さん「風俗点描」図

「あとがき」の最後で藤本正晃編集長は「久々に越前和紙が海外に飛び出すなど、社会の変化に応じた新たな動きがありました。確かな伝統技術の中から新たな用途に適応できる和紙の創出に向かって精進がなされるよう期待したいものです。」と記されています。和紙の未来にとって大切なことであり、興味深い論文や報告が多数掲載されています。

〈目次〉
「越前和紙の製作用具及び製品」の指定と保護  菊池健策
指定の意義とその後は…                石川満夫
「越前手漉和紙用具製作技術保存会」を設立   石川 浩
全国屈指の民家庭園                        藤原武二
日本の夏 油団の涼                          神野善治
大瀧神社所蔵「社殿絵図」の調査              吉田純一
日本近世の建築図面                        後藤久太郎
「カジの木の会」和紙の里交流記                川崎 博
越前和紙の郷 交流・見聞録                   河野徳吉
「越前和紙」の『和』は、「調和」の『和』                 奈良正博
和紙文化の奥深さに感動                     小泉悦夫
和紙の里を訪ねて                            大久保智弘
越前和紙に魂が宿る                          平岩典子
和紙を愛する会研修紀行 加賀の紙郷をいく    佐々木哲夫
和紙の里に生きる『今の時代』をつかむ            山下寛也
トピックス 5点
あとがき

問合せ:
〒915-0234 福井県越前市大滝町11-11 福井県和紙工業協同組合内
電話0778-43-0875 Fax0778-43-1142

和紙の里 表紙

 

「越前和紙 紙漉工場マップ」発行
越前市の五箇地区まちづくり協議会では、紙漉工房の町並みを散策できるマップを作成して好評を得ています。56工房の名前と紙種のリストとA3判の地図をご紹介します。

(画像をクリックすると拡大画像が表示されます)
マップ表紙 

紙漉工場 リスト

マップ 道並み