◆会員情報

〖訃報〗

 半田正博会員が先月お亡くなりになりました。享年75 歳。当十月二日に株式会社半田九清堂社葬としてご葬儀が執り行なわれ、元東京文化財研究所所長、渡辺明義先生から弔辞が添えられました。

 和紙文化研究会発足当初からの賛助会員である株式会社半田九清堂を兄、故半田達二氏とともに創業。修行と研鑽を重ね受継がれた伝統的装潢技術をもとに、上原の工房及び、東京国立博物館、江戸東京博物館に修理室を置かれ、国宝などの指定文化財修理に携わり、我が国における保存修復という概念と、紙や絹をベースとする東洋美術の修理技術の継承と発展にご尽力なされました。

 半田会員は東京藝術大学大学院・東北芸術工科大学・文星芸術大学・女子美術大学・吉備国際大学・東洋美術学校などで保存修復に関する教鞭をとられ、殊に東北芸術工科大学では教授として保存修復研究センターの一翼を担い、五十年以上の経験に裏付けされた高度なそして最先端の保存修復技術を東北の各地に伝播された功績は計り知れないものがあります。

 当会においても、長い間役員の重責を担われ、また和紙文化講演会でも何度か講師をつとめられ、発足当初より会運営に多大なるご尽力いただきました。会員一同心より感謝申し上げ、ご冥福をお祈り申し上げます。

 なお、本年1130日発行の『和紙文化研究21号』には、半田正博先生の多大なる和紙文化へのご貢献に対して、特別追悼文号として多くの方々が寄稿する予定ですのでご高覧賜われれば幸いです。