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9月2016

予告 和紙文化研究会月例会300回記念 

和紙文化研究会月例会300回記念 
谷野裕子会員・文教大学国際学部黛ゼミナール&NPO法人Bali Biodiversitas合同発表
「インドネシアバリ島での国際協力活動:
      紙すき活動で村に小産業を育てる ―細川紙の技術を学ぶ― 」 

 和紙研の月例会が300回を迎えるにあたり、国際的なテーマで日頃とは違ったアングルで紙・和紙を考えてみます。是非ご期待下さい。
例会日時:10月15日(土)13時30分~17時(開場13時)
     合同発表 14時50分頃から100分(予定) 
例会会場:小津和紙本社ビル 6階 (9月の月例会見学希望の方々へを参照)
          〒103-0023 東京都中央区日本橋3-6-2 TEL 03-3662-1184
発 表 者:谷野裕子会員
     文教大学国際学部黛ゼミナール:
          黛 陽子先生・矢川優希さん・佐藤麻耶さん(紙漉班)

 文教大学国際学科の黛ゼミではインタープリテーションをテーマに学習を進めています。その一環としてインドネシアバリ島バンリ県にあるバヌアという450人の小さな村で、脱貧困を目指す新たな産業を作り出す国際協力に取組んでいます。環境保全をしながら産業化を図るために様々な生産物を対象とする中で、3年前から「紙すきプロジェクト」を立ち上げました。
 その技術指導に当っているのが、和紙研の会員で細川紙技術保持者で埼玉伝統工芸士の谷野裕子会員(手漉き和紙たにの)です。現地は“紙ゼロ”地域、技術はもとより、原材料・道具など手探り状況からスタートでした。
 このプロジェクトのもつ意味、そして、この成果がもたらすものに、日本国内の和紙や国際的な紙の広がり等があるのかもしれません。

以下、現地の紙漉き風景を少し紹介します。

1 紙の原料、自生する植物ドラセナ1 (2)
2 収穫後のドラセナ2 (1)

 

3 漉き舟3 (1)
4 漉く4 (1)
5 乾燥(村で貴重なガラス窓で干す)

5 (1)

月例会見学ご希望の方々へ

見学希望の方は、9月14日(水)まで、添付「Web申し込み書」に必要事項を記入の上、下記例会委員専用アドレスへ添付してお送り下さい。
entry@washiken.sakura.ne.jp
また、HP担当の日野宛に「FAX申し込み書」(03-3759-7103)でお申し込み下さい。見学詳細はこちらからご連絡いたしますので、必ずご連絡先を明記して下さい。もし明記がない場合は受付できません。なお、当日見学代として1,000円ご用意下さい。また、見学者が多い場合はお断りすることもありますので、お早めにお申し込み下さい。

FAX 申し込み書<Wordファイルです>

◆ 9月例会
  日 時:9月17日(土)13:30 ~17:0 0   
  会 場:小津和紙本社ビル 6階会議室
  13:00 ~ 13:30 フリートーク
           ※会員相互の情報交換の時間としてご利用ください。
  13:30 ~ 14:40 第2回宍倉ゼミ宍倉佐敏 会員 (下記参照)
  14:40 ~ 14:50 休憩 
  14:50 ~ 16:30 会員発表 辻本直彦 会員(次頁参照)
  16:30 ~ 16:45 事務連絡
  16:45 ~ 17:00 片付け・退出 

2016年度 第2 回 宍倉ゼミ  〈PC・プロジェクター・DMS使用〉                    
題 名「 和紙の歴史 古代紙2「最初の原料は織物クズであった」
               女子美術大学特別招聘教授 宍倉佐敏 会員

 4000年前のエジプトの墓碑に眠るミイラは亜麻布に包まれていたと言われる。日本でも縄文時代の土器の紋様に観られる「アンギン織」も苧麻の類が使われている、麻類は人類にとって最も身近な繊維植物で、中国で紙が発明された時の最初の原料も大麻の織物クズであった。
 古代の織物は中国では大麻、日本では苧麻、ヨーロッパでは亜麻が多く使われていたので各国とも最初の紙原料はこれらの麻額であった、洋紙風手漉き紙の製法が東南アジア地方に伝わると、現地に多く生育している黄麻や葉鞘繊維(マニラ麻など)が原料とされ、和紙風手漉き紙としてヨーロッパに輸出もされた。日本でも近代になるとこれらの麻類を輸入して機械抄き和紙の原料とした。
 770咋に完成した糖界最古の印刷物と言われる百方塔陀羅尼の料紙は1970年頃まで麻紙と信じられていた。科学の発展で感度の高い顕微鏡などの観察装置が生まれ、紙の繊維を細かく分析することが容易になり、植物繊維の研究と顕微鏡の操作法を学んだ結果、百万塔陀羅尼の料紙は麻類以外の植物繊維が使用されている事が判明した。これが現在日本特有の手漉き法に発展したと考えられる。
 当日はさまざまな麻の繊維を実際にDMSで観察し、その特徴などを解説する。また、「和紙文化研究6号」(下記参照)の「麻の研究」も御参照下さい。

 

麻紙(苧麻)のDMS画像200x「繊維判定用 和紙見本帳」(2008年 紙の温度(株)発行)より

苧麻の繊維

 

 

会員発表                  PC・プロジェクター使用

題 名「紙の博物館蔵 関義城コレクション【後編】」                
           公益財団法人 紙の博物館 学芸部長 辻本直彦 会員

 和紙に関する我国三大コレクションの一つとされていた関義城コレクションが、平成21年、紙の博物館に寄贈された。なお、三大コレクションの残りの二つとは、天理大学、紙の博物館と言われていた。関義城コレクションは、お孫さんの関義久氏が、長年、日通の倉庫に、段ボール箱で300箱を大切に保管されていたものである。本コレクションは、書籍数約4,000件(整理済み)、資料は現在も整理中で、推定数千件に登る。
関義城氏は長く製紙業に従事し、古今東西の多種多様な紙の収集家であり、紙研究の草分けの一人でもあった。そのコレクションは、現在では製造されていない貴重な和紙・洋紙、染紙や千代紙、ちりめん紙などの加工紙、古文書や記録、紙漉き図などの浮世絵、広告、商標や、和書・洋書、見本帳、製紙機械のカタログや図面、製紙原料まで多岐に渡る。これらを見本帖として、多数の見本紙を添付した本を自費出版され、また、日本、中国の紙に関する文献を網羅した貴重な文献集も出版された。
関義城氏の功績には、三つの大きな柱がある。一つ目は、収集した膨大な量の紙を見本帳に仕立て、自費出版したこと。二つ目は、全ての見本紙の繊維原料を定量分析し、原料構成を明らかにしたこと。三つ目は、和漢の図絵と文献の文献集を出版したことにある。
昨年に続き、これらの出版物を中心にお話します。

 

1 紙の博物館企画展『関義城コレクション』(平成24年9月)

1 (1)

2 関義城 著作集

2
3 関義城肖像写真とThe Handmade Papers of Japan

3
4 繊維分析写真

4
5 『古今和紙譜』の見本紙

5
6 光明皇后が書写させた「四分律」の一部が『古紙之鑑』に貼付

6
7 和漢文献類聚 江戸時代編

7

 

【講師プロフィール】
公益財団法人紙の博物館 学芸部長 1973年京都大学大学院農学研究科終了後、王子製紙株式会社(現在王子ホールディングス株式会社)入社。研究開発業務で25年間研究所勤務。米国ウィスコンシン州「紙化学研究所」、およびニューヨーク州立シラキュース大学「ESPRI研究所」へ会社派遣留学。2006年から紙の博物館勤務。2009年11月の企画展示「手漉き和紙の今」では皇后陛下の御行啓を賜り御説明係を担当。
紙の博物館は企業博物館として我国でその歴史は古く、今年で創立66周年となる。

小津和紙ご案内200

産地交流

「北信濃内山和紙のふるさとを訪ねて」 内山和紙の今昔 4 

 今回は近代の紙漉きに貢献をした方を顕彰する「山田作左エ門旌徳碑」と、内山和紙の生産地を歴史に合わせてみていきます。時代と共に移り変わる地域を垣間みて下さい。

山田作左エ門旌徳碑

所在地 木島平村内柳久保地区国道403号北側
立 碑 明治27年1月
撰 文 綿貫香雲

1 碑全体Exif_JPEG_PICTURE
2 碑陽Exif_JPEG_PICTURE
3 碑陰Exif_JPEG_PICTURE
4 釈文Žß•¶

 地面から台座を含め4段になり、1m20cm程上に碑石があり、この碑の重要性がわかります。碑陽は額が楷書で横書き「旌德碑」とあり、碑文も楷書で1行16字全8行、寸法が縦1m21cm×59.5cm。碑陰は上から3段が1列13人、4段目に8人、5段目に7人の名前が刻され、4、5段を通して左側に「三百人門弟中」とあり、最後に石工の名が刻されています。恐らく世話になった三百人の中から代表して五十余名の名を刻んだということでしょう。
 『石碑の香り』(昭和59年 木島村教育委員会刊行)には、この碑石が紹介され、略伝として、事業家であった山田作左エ門氏が産業開発に貢献されましたが、特に製紙法の改良に尽力され、近郷に名声が広がり、この顕彰碑が建てられるに至ったとあります。また、平成26年No.172号の「広報きじま平」にも「村の宝」として取上げられており、ここでは「信濃紙」を内山和紙のことと説明しています。

 

1 地図① 長野県北部‘S‘E’·–ì’n}
2 地図② 木島平村ƒvƒŠƒ“ƒg

 内山紙の歴史では、その起源の有力な説として、江戸時代の寛文元年(1661年)に信濃国高井郡内山村(現在の木島平村内山)の萩原喜右ヱ門が美濃の紙漉法を習得、帰郷して内山で漉いたといわれています。(地図② 内山地区参照)
 また、内山和紙協同組合によれば、江戸時代の宝永3年(1706年)の「信濃国高井郡・水内郡郷村高帳」に「紙漉運上銀二十五匁七分一原」という記載があるということから江戸中期には紙製造が徴税対象とされたことがうかがえるということです。その二つの地域は地図①を参照。
 そして、近代に入り技術の改良や動力も導入され、明治42年には製造1130戸、販売175戸、原料供給1354戸及び、明治44年には1町12ヶ村1,156戸で長野製紙同業組合が設立され、昭和16年には下高井郡と下水内郡667戸で高水和紙工業組合設立されたということです。その地域は、地図①を参照。
 戦後再編を繰り返し、平成15年名称を「内山紙協同組合」(所在:飯山市)に変え今日に至っています。(平成24年組合員7名)そして、木島平村でも昭和45年に絶えてしまったものを、昭和62年に内山紙の復興、そして、保存・伝承を目的に「内山手すき和紙体験の家」が創設され、現在に至っています。
 和紙研でも平成20年2月の研修旅行「長野県飯山市瑞穂・木島平内山和紙の里を訪ねる」でお邪魔したことがありました。

http://www.uchiyama-gami.jp/history.html
http://kamisukiya.com

◆会員情報

和紙作品展 「和紙、つくる、つかう、たのしむ」    北村春香会員 関係

私たちの紙作り―あきる野市旧五日布地区の自然水と自生楮(コウゾ)を使って紙漉きを始めました。活動のようすをパネルにしましたので作品と合わせてご覧くだきい。

日 期:2016年9月20(火)-25(日)11時-17時(最終日16時)
会 場:茶房ギャラリー土龍(どごめ)
    東京都あきる野市上代継416  TeI.042-559-9932
アクセス:タクシ-でJR秋川駅南口から約6分
     車で圏央道あきる野ICから約4分
          徒歩でJR秋川駅から約30分
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◆和紙情報

「森を漉く」ワークショップ       
日 程:2016年9月22日 (木・祝) 10時?16時
集 合:西会津国際芸術村
会 場: 西会津町奥川地区 寺清水広場(塩集落周辺)
参加費:無料
定 員: 10名
お問い合わせ: 0241-47-3200 西会津国際芸術村 担当:楢崎
morinohakobune.nishiaizu@gmail.com
www.morinohakobune.jp/
※ ぬれても良い服でお越しください!

☆スケジュール
10:00 西会津国際芸術村集合、広場に移動
10:15~ 体験説明、加工方法の実演説明動
10:45~ 森の中を散策、材料探し
11:20~ 材料加工
12:00~ 昼食休憩(各自でご用意ください)
13:00~ 紙漉き開始
14:30~ 休憩、圧搾
15:00~ 紙干し 
16:00~ 現地または芸術村で解散

<主催>
福島県|森のはこ舟アートプロジェクト実行委員会
実行委員会事務局:NPOふくしまアートネットワーク
<共催>東京都/アーツカウンシル東京(公益財団法人東京都歴史文化財団) <協賛>日本たばこ産業株式会社 <協力>心の復興推進コンソーシアム
<助成>文化庁

パンフ