1月2020

◆開催予告

   大東文化大学書道研究所主催 書道芸術文化講演会
     
          日本の美、平安装飾料紙の世界
         ―越前が取組む復元紙とかな表現―

               概 要
 千年を経て越前で復元された「打雲」「飛雲」「羅紋」「いろ紙」。それによって甦った美と価値観から装飾料紙とかな書道の関係性をあらためて考え、新たなかな表現を探ります。
 平安古筆に使われた雅びで美しい装飾料紙は、かなの世界ではあこがれて止まないものであるが、漉く(湿紙)中でできるこの4種の「打雲」と「飛雲」は千年の間大きく変容し、「羅紋」と「いろ紙」はいつの頃からか消えてしまい、平安の姿が現在まで伝わっていません。そのためか本来の姿とは異なる形やその印刷紙など本物からはほど遠いものが出回って、平安の美は遥か遠い世界となっいます。やはり、古典に則した本物に出会うことは、心が沸き立ち、現代のかな表現の可能性を広げることにもつながり、重要な価値が潜んでいるものと思われ、その復元が強く望まれていました。
 越前では研鑽を積み古典の持つ雅びを求め、姿形を限りなく近づける努力を重ねつつ、また、それを基に新たな時代の装飾を生み出しています。この成果を会場に展覧し、“平安の装飾料紙とかな”及び日本書道史などをあらためて見つめ、どんな美や価値があるのか、そしてこれからどんな書や表現につながっていくのかの講演。そして復元紙を実際に使用して席上揮毫をしていただき、平安の美を味わっていただく内容といたします。(英訳は添付ファイル参照)

テーマ:「日本の美、平安装飾料紙の世界 ―越前が取組む復元紙とかな表現―」
日 時: 令和2 年2月22 日(土)12:00―16:00

開場10:00 受付11:30 より(多目的ホール)
対 象:一般・大学生・大学院生・大東書道会員・和紙、美術関係者など
定 員:300 人
参加料:2,000 円
申込方法:添付ファイル参照
会 場:大東文化大学板橋校舎 多目的ホール
東武東上線東武練馬駅よりスクールバス約7分
都営三田線西台駅より徒歩約10 分
主 催:大東文化大学書道研究所
後 援:福井県和紙工業協同組合・和紙文化研究会・(有)東京文物

〔次第〕
12:00 開会
第1部 講 演
12:10 - 12:40 「奈良から平安へ 装飾料紙の色」名児耶 明(書道研究所研究員)
12:45 - 13:15 「平安古筆に使われた紙」髙城竹苞 (本学書道学科教授)
13:20 - 13:50 「復元に賭ける越前の魂」石川 浩 (福井県和紙工業協同組合理事長)
休憩
第2部 席上揮毫 「装飾料紙に書く」
14:10 - 14:40 高木厚人(本学書道学科教授) 髙城竹苞

第3部 質疑応答 「復元紙から新しいかな表現を考える」
14:50 - 15:40 名児耶 明 高木厚人 髙城竹苞
石川 浩 五十嵐康三(全国手すき和紙連合会会長)
進行:日野楠雄(本学書道学科非常勤講師)
閉会

※ 時間は予定です。進行状況により前後することがございます。
※ 『墨』262 号「かなと料紙」芸術新聞社刊をお持ちの方は、ご持参頂くとより理解が深まります。

特別展示・解説(多目的ホール・展示予定品は変更の場合もあります)
10:00 ~12:00
①特別展示:黒田賢一・高木厚人・土橋靖子・横山煌平・渡辺墨仙各先生の10 作品
②「打雲」「飛雲」「羅紋」「いろ紙」の復元紙と応用型の新装飾料紙を各10~1 5 種

③平安装飾を元にした試作実用品
④かな料紙の元になる鳥の子紙各種(「生漉鳥の子保存会」製紙)
⑤平安・鎌倉期の古筆
越前・和紙関係者等による説明・紹介

問合先 〒175-8571 東京都板橋区高島平1 - 9 - 1
    大東文化大学書道研究所 「書道芸術文化講演会」係
    FAX 03-5399-7346 
    Mail:shodoken@jm.daito.ac.jp

 

会場風景

1 打雲1 205×150
2 打雲2 205×150
3 打雲3 205×150
4 飛雲1 195×185

5 飛雲2 220×160
6 羅紋 青 205×130

7 羅紋 赤1 215×130
8 羅紋 赤2 215×130
9 いろ紙 5種
10 いろ紙 赤125×115

11 いろ紙 紫125×115

12 いろ紙 黄125×115
13 いろ紙 青125×115
14 いろ紙 緑125×115

参加申込書

概要の英訳 Japanese beauty

 

月例会見学ご希望の方々へ

 見学希望の方は、1月16日(木)まで、添付Web申し込み書」に必要事項を記入の上、下記例会委員専用アドレスへ添付してお送り下さい。entry@washiken.sakura.ne.jpまた、事務局宛に「FAX申し込み書」(03-5685-7780)でお申し込み下さい。見学詳細はこちらからご連絡いたしますので、必ずご連絡先を明記して下さい。もし明記がない場合は受付できません。なお、当日見学代として1,000円ご用意下さい。また、見学者が多い場合はお断りすることもありますので、お早めにお申し込み下さい。

FAX 申し込み書<Wordファイルです

◆ 1月例会
日 時:1 月18 日(土)13:30 ~17:0 0
会 場:小津和紙本社ビル 6階会議室
13:00 ~ 13:30 フリートーク
※会員相互の情報交換の時間としてご利用ください。
13:30 ~ 14:40 第8回増田ゼミ増田勝彦 副会長(下記参照)
14:40 ~ 14:50 休憩
14:50 ~ 16:40 「掛軸の形式と素材について」 宇佐美直治会員(下記参照)
16:40 ~ 16:50 事務連絡
16:50 ~ 17:00 片付け・退出
※当日の進行状況により、スケジュールが多少前後する場合がございます。予めご了承下さい。

 

第8回 増田ゼミ               P C・プロジェクター使用
題 名「紙と印刷」
                           増田勝彦 副会長
新しい技術を支える材料がある場合、あるいは新しい材料によって技術が新しく発展する場合が考えられますが、紙と印刷に関して、そのような観点で、日本における代表的な印刷3種、経巻の印刷と紙、浮世絵の摺りと紙、唐紙の摺と紙を見てみましょう。
1.経巻の印刷と紙、
2.浮世絵の摺りと紙、
3.唐紙の摺と紙

 

会員発表                   PC・プロジェクター使用
「掛軸の形式と素材について」        
                           宇佐美直治 会員
書や絵画の鑑賞・保存のために和紙・裂・糊などを使って掛軸・巻物・額・屏風・襖・衝立などに仕立てたものを表具といいます。なかでも代表的な仕立てかたである掛軸には多くの形式があり、その形式は、好みで自由に選ぶのではなく、本紙によって使い分けられています。また、形式だけでなく、表具裂や軸首などにも多くの種類があり本紙に相応しいものを選びます。表具裂の代わりに和紙を使用した紙表具の掛軸もあります。また、掛軸の工程にも和紙が使用されています。実際に掛軸や和紙や裂をご覧いただきながらご説明させていただきます。
①表具の道具

②糊

③肌裏打ち

 

④総裏打ち

■プロフィール
宇佐美直治(Naoharu USAMI)
株式会社宇佐美修徳堂代表取締役、「京表具」伝統工芸士
(株)宇佐美松鶴堂8 代目宇佐美直八の次男として生まれる。
1989 年(株)宇佐美松鶴堂入社、京都国立博物館内文化財修復センターの宇佐美松鶴堂工房にて文化財修復に携わる。2006 年(株)宇佐美松鶴堂退社、(株)宇佐美修徳堂設立

◆会員情報

展示会
~越前和紙の職人の技が光るふすま紙の世界~
ふすま紙を極める          福井県和紙工業協同組合 関連

会 場:小津ギャラリー(小津本館ビル2階)
〒103-0023 東京都中央区日本橋本町3-6-2小津本館ビル
TEL 03-3662-1184
会 期:2020 年2 月17日~22日 10:00 ~ 18:00
※初日は15:00 から/ 最終日は15:00 まで
出 展:(株)長田製紙所・(有)やなせ和紙・(株)岩野平三郎製紙所・(株)滝製紙所・(株)五十嵐製紙
主 催:福井県和紙工業協同組合
協 力:越前市・小津和紙
後 援:全国手すき和紙連合会
問合せ:福井県和紙工業協同組合
TEL 0778(43)0875  mail:info@washi.jp
http://www.washi.jp/topics/topics2019.html#t13

参照:寸法 以下@の左下「越前手漉き和紙規格表」をクリック
http://www.washi.jp/syurui/index.html

◆書籍情報 新刊情報

新刊情報

『水墨画入門』
2017年12月に「中世の絵画史について」として講演をいただきました島尾新先生の新刊。墨と、筆と、紙──この,シンプルな素材から生みだされてきた「モノクロームの世界」は,果てしなく豊かで、奥深く、そして愉しい、東アジア独自の筆墨文化に広く目くばりしながら,水墨画の歴史と思想,作品と技法を縦横無尽に読み解く、矢代幸雄の名著『水墨画』から五〇年,あらたな水墨画への道案内。
シリーズ:岩波新書(通し番号:新赤版1819)
著者:島尾 新
版元:岩波書店
発行:2019年12月20日
判型:新書判 228頁
価格:本体920円
目 次
第一章 水墨画とは何か
第二章 水墨の発見
第三章 水墨画の存在様式
第四章 イリュージョニズムの山水画
第五章 水墨画がやってくる
第六章 詩書画の世界
第七章 「胸中の丘壑」から「胸中が丘壑」-水墨表現のさまざま
https://www.iwanami.co.jp/book/b487928.html

 

 

『墨』262号 
平安古筆に使われた装飾料紙については、2017年6月の和紙文化パネル‐workⅣ「和紙に見る藍と紫、日本人の美意識」や、2018年10月福井県越前市で催された「大瀧神社1300年大祭記念 越前装飾料紙シンポジウム」で紹介されましたが、そのプロジェクトと工房が取り上げられました。
発行:2020年1・2月号
特集:かなと料紙
版元:芸術新聞社
判型:A4変形 256頁
価格:本体2,238円

目 次(部分)
日本文化と紙①
料紙 基礎知識 文/髙城弘一
麗しき王朝美 料紙で味わうかな古筆?文/髙城弘一
田中親美と料紙 文/関口研二
まつかげ帖?福田喜兵衛、古筆手鑑複製本の世界
拡大で見えてくる 料紙研究の“いま” 原料篇 文/野中直之
かなと料紙のハーモニー 講師/日比野 実
拡大で見えてくる?料紙研究の“いま” 加工技法篇 文/野中直之
桑田笹舟──美しき「間」を求めて 文/福井淳哉
美しい料紙を書き手に届ける その一 王朝の美を守り伝える 翠祥堂
よみがえる平安の美 装飾料紙復元への歩み 文/日野楠雄
越前 和紙の里を訪ねて 岩野平三郎製紙所・五十嵐製紙・やなせ和紙
手漉き和紙に書く 竹田晃堂
和紙と花 文/大久保有加
美しい料紙を書き手に届ける その二 伝統と革新を追って 平安堂
日本文化と紙②
http://www.gei-shin.co.jp/sumi/index.html

 

 

『和紙 Washi 和紙ってなに? What’s Washi?』 
「和紙」とは何か?をマンガや画像でわかりやすく解説。巻末には、全国の和紙産地や資料館・美術館も付いています。また、全編英語で対訳がついているので、英語圏の方々にも紹介ができます。
発行:2020年1月6日
編集:小津和紙編纂室
版元:朝日出版社
判型:A4 58頁
価格:本体900円

目次(部分)
第1章 和紙ってなに?
第2章 和紙ができるまで
第3章 和紙と暮らしの歴史
第4章 広がる和紙の世界
問合せ:https://www.ozuwashi.net/

◆和紙情報

展覧会 インスティトゥト・セルバンテス東京 – 文化イベント
スペイン×因州 因州和紙による現代版画交流20周年記念展
España x Inshu 20 Aniversario

インスティトゥト・セルバンテス東京はスペイン語とスペイン語圏文化の普及を目的に、スペイン政府により設立された公的な文化施設です。世界各国に70ヶ所以上ある支部の中でも最大の規模を誇ります。今回はスペインと因州和紙の交流20周年を記念した展覧会です。

会 期:1月17日(金)~2月28日(金) 10:00~18:00
月~土曜 10:00~20:00 日曜10:00~12:30
休館日2月11日、24日
会 場:インスティトゥト・セルバンテス東京2階ギャラリー
東京都千代田区六番町2-9 電話:03-5210-1800
オープニング:1月17日(金)19:00~ 参加無料
ギャラリートーク:2月13日(木)18:00~19:00 参加無料
ワークショップ:ポインセチアの和紙花づくり 参加無料
申込先:https://cervantestokyo.peatix.com/ より
最寄駅:市ヶ谷・四ツ谷・麹町各駅
https://espana-inshu-20.peatix.com/?lang=ja