7月2014

月例会見学ご希望の方々へ

見学希望の方は、7月16日(水)まで「添付申し込み書」に必要事項を記入の上、事務局へ月例会担当の日野宛にFAX(03-3759-7103)でお申し込み下さい。見学詳細こちらからご連絡いたしますので、必ずご連絡先を明記して下さいもし明記がない場合は受付できません。なお、当日見学代として1,000円ご用意下さい。また、見学者が多い場合はお断りすることもありますので、お早めにお申し込み下さい。

FAX 申し込み書<Wordファイルです>

月例会
日 時:7月19日(土)13:30~17:00
会 場:小津和紙本社ビル 6階会議室
13:00~13:30 フリートーク、レイアウト変更
13:30~14:30 原典講読「造紙説 越前紙漉図説」のまとめ 尾村知子会員
14:45 ~16:15 招聘講師発表
「写真、プラチナパラジウム印画法における支持体としての和紙」(下記参照)
16:15~16:25 休憩
16:25~16:45 「和紙文化in越前」 など
16:45~17:00 事務連絡・片付け・退出特別講義

題名「写真、プラチナパラジウム印画法における支持体としての和紙」

講師:西丸雅之 氏
プラチナプリントは1873年に発明された写真印画法です。工業製品として市販され純黒調で上品なマット面、豊かな階調はサロンの写真家やポートレイトで歓迎され世紀末を跨いで一世を風靡しましたが第一次世界大戦などの理由でプラチナが高騰し衰退しました。1970年代に入り写真がファインアートとして売買され始める一方で良質なモノクロ印画紙の減少していく中で自ら感光液を塗布して印画紙を作る手作りの印画法として復活を果たしました。支持体として使われる紙によって画質や雰囲気が大幅に変わってしまうので、紙は最も重要な要素だと言えます。一般には綿繊維の水彩紙をベースにした紙が多く使われていますが、和紙も使われています。日本では緻密さから雁皮紙が圧倒に人気が高いようですが、海外では柔らかな風合いを求めて楮紙を好んで使う作家もいます。
フランスのプリンター、ディディエ・ブルース氏が近江の雁皮紙にプリントした繊細で透明感のあるパオロ・ロベルシ作品の美しさに魅了され和紙に興味を持ち、様々な和紙を試しましたが確実な手応えを得られずにいました。いつか理想的な紙を作ってもらいたいと思っていたところに縁あっていの町地域雇用創造協議会のサポートの下、高知の若手紙漉き職人のグループ「土佐の山・紙資源の会」とプラチナプリント用の和紙を開発する機会を得ました。塗布および現像処理のし易さ、風合い、画質、長期保存性といった観点から試作、評価を行い土佐白金紙として製品化しました。
今回の発表ではプラチナプリントを中心に実物展示の他、プリント作業のデモも行う予定です。

1.毛氈を敷いて感光液を塗布します。高価な感光液を吸いすぎず繊維を引っ張らないよう軟らかいナイロン毛を使った専用刷毛を使います。
プラチナ 1

2.感光液を塗布したら自然乾燥します。
プラチナ 2

3.4.膜面を現像液に向けて浮かべて現像します。
プラチナ 3    プラチナ 4

5.いの町紙の博物館で土佐白金紙のお披露目展を開催していただきました。
https://www.youtube.com/watch?v=IapqJ7x60xY
プラチナ 5

【講師プロフィール】
西丸 雅之 ( にしまる まさゆき )  Masayuki  NISHIMARU
1965年 東京生まれ。1989年日本大学芸術学部写真学科卒業。同年同校研究室勤務。プラチナプリントの研究を始める。1990年よりフォト・ギャラリー・インターナショナル勤務。美術館を中心に写真作品の保存処理業務に携わる傍ら、学校や美術館などでプラチナプリントワークショップの講師を務める。2003年サンタ・フェで行われたセミナーに参加し、以降インクジェットプリンタを使ったデジタルネガの研究を本格的に始める。日本写真芸術学会会員。

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