月例会見学ご希望の方々へ

見学希望の方は、3月13日(木)まで「添付申し込み書」に必要事項を記入の上、事務局へ月例会担当の日野宛にFAX(03−3759−7103)でお申し込み下さい。見学詳細こちらからご連絡いたします。なお、当日見学代として2,000円ご用意下さい。また、見学者が多い場合はお断りすることもありますので、お早めにお申し込み下さい。

FAX 申し込み書<Wordファイルです>

3月例会

日 時:3月15日(土)13:30〜17:00 会 場:小津和紙本社ビル 6階会議室

13:30~14:30 原典講読 「造紙説 越前紙漉図説」  佐藤夕紀 会員
14:40~16:10 特別講義 「私の思う和紙の魅力/楮の種類による紙質の評価」
16:10~16:20 休憩
16:20~16:50 特別発表 「韓国全州における手漉き韓紙の製造体験と保存現況について」
16:50~17:00 事務連絡・片付け・退出

特別講義
題名「私の思う和紙の魅力/楮の種類による紙質の評価」
講師:Rogier Uitenboogaart氏(ロギール アウテンボーガルト)

私が日本に来てから30年が経ちましたが、まだまだその奥深さと魅力は色褪せることがありません。自然との関わりや原料、技術など、私の考える和紙の魅力を梼原での紙作りを紹介しながら発表させて頂きます。
自分で栽培している楮(原料)は、他と比較してどのようなものだろうかという疑問から、原料と紙質の調査が始まりました。6種類の楮の葉形や樹形などを実観察、靭皮繊維を電子顕微鏡やDNA分析などによって調査・差別化し、種類別に漉いた紙を、引っ張る力・表面の強さ・紙に残っている樹脂の量・断面の顕微鏡での検査をしましたので紹介します。(その内アカソ・トラフ・若山楮・地楮で漉いた4種の紙で書、プリント、木版画、表具での比較検討が間に合えば使用感によっての違いを報告します。)サンプルを持参しますので実際に手に取って見て下さい。この調査は始めて間もなく、分からないことばかりなので、ぜひ皆様のご意見をお聞かせ頂ければと思います。

1 伝統的手漉き和紙の製法で紙作りをしています。画像では谷の水を使って晒しています。

1 晒し

2 多くの方のご協力を頂いて楮の研究を進めています。

2 楮

3 「かみこや」は四国カルストの麓、四万十川の源流点にあります。

PIC01439.JPG

4 内装、インテリアの制作もおこなっています。画像は藤かずらをフレームに使った提灯型の照明です。

4 灯り

5 楮、三椏の他、トロロアオイも自家栽培しています。保存や抄造にも薬品は使いません。

5 トロロアオイ

【招聘講師プロフィール】

Rogier Uitenboogaart氏(ロギール アウテンボーガルト)

経歴:1955年オランダ・ハーグ市生まれ。1980年に訪日、日本各地の手漉き工房を巡り歩く。中でも人間国宝の岩野市兵衛工房(越前)を訪ねた時のイメージが今日の紙漉につながっている。翌年から旧伊野町で紙漉修行を始め、以来在日30年以上、伝統的工法に拘っている。1992年から四万十川の源流に位置する高地檮原町に移り、紙漉工房「てんぐの風」開設、2006年には梼原和紙&「紙漉体験民宿かみこやをオープンして現在にいたる。楮・三椏など直栽培。現高知工科大学客員教授。高知県認定「土佐の匠」手漉き和紙工芸作家。

工 房:高知県高岡郡梼原町太田戸1678

 

特別発表
題名「韓国全州における手漉き韓紙の製造体験と保存現況について
李 壃 氏(イ ガン) 東京藝術大学大学院博士課程修了予定(博士)
専門は文化財保存科学

韓国の全羅北道に位置する全州は、高麗時代から楮の栽培が多く、韓紙製造業が盛んになっており、いわゆる「高麗紙」の原産地である。王室の進上物として高品質の高麗紙は高く評価されてきた。全州市に隣接する完州郡内の「大勝韓紙村」では、郡の支援を受けて専門抄紙工により伝統韓紙の生産、製紙技術の保存と改良を続けており、体験 学習の場を提供している。ここで行っている韓紙の抄紙様子と全州における韓紙保存の現況について紹介する。

実体験

小津和紙ご案内200