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歴史的紙の再現
オニシバリ紙できる         紙の温度(株) 会員関連

歴史的に古くから使われている紙で、中々お目にかかれないオニシバリ紙を、紙の温度(株)と三宅賢三氏が3年の歳月を費やし再現に成功。数量は限定されるが一般に紹介している。
オニシバリ〔ジンチョウゲ科 別名:夏坊主・オニガンピ〕は、全国に分布しているが、冬期間に葉が青々とし、夏期には落ちてしまう、一般的な落葉植物とは季節感が反対になる不思議な性質をもっている。
歴史的には、正倉院文書「正集第19巻第1〜5紙 伊豆国正税帳」(天平11年)(『正倉院紀要32号』)、平安古筆「亀山切」などに使われているが、雁皮紙の蔭に隠れるように存在感を消していったようで、現在ではほとんど知られることがなくなっている。
この名で文献に現れるのは、中島今吉『最新和紙手漉法』(昭和21年 丸善出版株式会社刊)のようである。そこで第五篇補助原料の第四〇章として取り上げられているが、四行にとどまっている。
近年、当会会員の宍倉佐敏氏(女子美術大学特別招聘教授)は、オニシバリについて、フィールドワークを踏まえ原料と製紙の研究、そして「徳川家康黒印状」に雁皮・三椏とともに出てくる「鳥子草」がオニシバリに当たることなど、共著『地域を活かす 生活工芸双書 楮・三椏』(2018年農山漁村文化協会刊)に、1頁半にわたり紹介しているので興味のある方は参照して下さい。

原物確認・問合せは店舗の方へ
〒456-0031 愛知県名古屋市熱田区神宮二丁目11番26号
Tel 052-671-2110 Fax 052-671-2810

関連Web
https://www.kaminoondo.co.jp/store/i/38607202/

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講演会
東京藝大 I LOVE YOU プロジェクト オンライン講演会
文化財と戦争.

日 時: 2020年10月31日(土)13:00〜17:15まで
配信会場:東京藝術大学  110-8714 台東区上野公園12−8
配信方法:ライブストリーミング
申 込:事前申込制
主 催: 東京藝術大学大学院美術研究科 文化財保存学専攻 保存修復工芸研究室

プログラム
13:00-13:05 開演の挨拶  北野珠子(東京藝術大学大学院美術研究科 文化財保存学専攻 准教授)
<基調講演>
13:05—14:05 「文化財を預かる博物館の使命」
井上洋一(東京国立博物館 副館長)
14:50−15:20 「文化を通じて繋がりを生む」
保科眞智子(古伊万里再生プロジェクト[ROIP]代表)
15:20—16:05 「ピアッティ家陶磁器コレクションの美術的、文化財的価値」
荒川正明(学習院大学文学部哲学科 教授)
16:05—16:50 「戦災文化財を後世に伝える為の展覧会について」
高橋裕次(大倉集古館 学芸部長)
16:50-17:15  Q&A

申込方法: 下記申込フォームより事前にお申込ください。
https://forms.gle/zXdcuB5BKzs55M2f6
オンライン配信のURLは申込フォームに記載いただいたアドレスへ配信当日にお知らせします。

問合せ先: 東京藝術大学大学院美術研究科 文化財保存学専攻 保存修復工芸研究室 hozonkougei@ml.geida

 

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展覧会

文房四宝の産地展          福井県和紙工業協同組合 関連

「文房四宝」とは、書画に欠かせない文房具、「筆」「墨」「硯」「紙」を意味します。この言葉は中国北宋時代の蘇易簡『文房四譜』に始まると言われますが、すでに後漢時代にはこの4つのユニットは揃っていたとも考えられており。まさに二千年近い長い間、筆墨の文化の中で大切にされてきました。
越前は千五百年の歴史をもつ和紙の一大産地、今回はそこに国内有数な筆と墨の産地から、製品や製造工程などがわかる資料の協力をいただき、硯は江戸時代の画家岸駒が残したものを、筆洗や筆立、屏風「百老図」とともに展示しています。
「硯で墨をすり筆で紙に書く」ことは決して特別なことではなく自然の流れです。越前和紙の里の「文房四宝」を書画関係者に限らず、老若男女皆、千五百年のその時空間に浸ってみませんか。

会 場:越前和紙の里 紙の文化博物館
〒915-0232  福井県越前市新在家11-12
TEL 0778-42-0016
会 期:2020 年8 月26日~11月9日 9:30 ~ 16:30
※火曜日休館 (祝日開館)
入場料:200円 高校生以下無料
主 催:福井県和紙工業協同組合
協 力:(財)筆の里振興事業団 (株)古梅園
後 援:福井県教育委員会・越前市教育委員会・財)若越書道会・
福井県書作家協会・日本墨書会
問合せ:福井県和紙工業協同組合
TEL 0778(43)0875  mail:info@washi.jp
http://www.echizenwashi.jp

パンフレット表

パンフレット裏

1F入り口

1F 入り口2 

 

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展覧会

第11回 高知国際版画トリエンナーレ展.

この展覧会は、和紙文化と版画文化のさらなる発展を願い、人々と文化の国際交流の場を作ることを目的として、世界に向けて開かれてから30年、本展で第11回を迎えます。開催地が伝統的な和紙の産地である高知ということから、作品の素材は紙に限定しています。ぬくもり溢れる紙に様々に表現される版画の世界は、トリエンナーレ(原義:3年に一度)の名に相応しく、時間をかけて熟成され、回を重ねるごとにレベルの高い作品が世界各地から集まっています。

会 期: 2020年10月30日(土)〜12 月26 日(土)
9:00〜17:00まで(入場は30分前まで)
会 場:いの町紙の博物館 〒781−2103 高知県吾川郡いの町幸町110-1
TEL 088(893)0886  FAX 088(893)0887
主 催:土佐和紙国際化実行委員会
助 成:公財)朝日新聞文化財団・公財)全国税理士共栄会文化財団・
公財)三菱UFJ信託地域文化財団
関連HP http://www.kamihaku.com

月例会見学ご希望の方々へ

 見学希望の方は、2月13日(木)まで、添付「Web申し込み書」に必要事項を記入の上、下記例会委員専用アドレスへ添付してお送り下さい。entry@washiken.sakura.ne.jpまた、事務局宛に「FAX申し込み書」(03-5685-7780)でお申し込み下さい。見学詳細はこちらからご連絡いたしますので、必ずご連絡先を明記して下さい。もし明記がない場合は受付できません。なお、当日見学代として1,000円ご用意下さい。また、見学者が多い場合はお断りすることもありますので、お早めにお申し込み下さい。

FAX 申し込み書<Wordファイルです

◆ 2月例会
日 時:2月15 日(土)13:30 ~17:0 0
会 場:小津和紙本社ビル 6階会議室
13:00 ~ 13:30 フリートーク
※会員相互の情報交換の時間としてご利用ください。
13:30 ~ 14:40 第26 回宍倉ゼミ宍倉佐敏 会員(下記参照)
14:40 ~ 14:50 休憩
14:50 ~ 16:40 「版画レポート2020 紙はご馳走-
和紙と唐紙サマザマな紙で摺る-」
東京藝術大学版画研究室 三井田盛一郎会員
(下記参照)
16:40 ~ 16:50 事務連絡
16:50 ~ 17:00 片付け・退出
※当日の進行状況により、スケジュールが多少前後する場合がございます。予めご了承下さい。

第26回 宍倉ゼミ               P C・プロジェクター使用
題 名「和紙 風土・歴史・製法 8『阿波和紙』」
               女子美術大学特別招聘教授 宍倉佐敏 会員
四国には多くの和紙産地が点在している。これは水質の良い河川が多く在り、近在の土地には性質の異なった楮が生育して、多くの種類の紙が生産されている。特に土佐の紙を育てた仁淀川と川沿いに点々と存在する吉野川が知られ、平地の少ない土地では漆を使った木地や和傘・竹材に和紙が使われた。
平安時代には「姿うるわしき紙」が阿波にあったと言われたが残された物は無い。江戸時代には多くの紙が漉かれ、明治期には最盛期を迎えたが洋紙の発展と共に和紙は減退し、昭和四十三年に富士製紙一戸となったが、県の無形文化財にされた藤森実氏が和紙産業会館を設立し、その後和紙技術の伝統と紙や文献の保存を目的に和紙研修所を設立した。これらの様子を顧みる。

会員発表                   PC・プロジェクター使用

「版画レポート2020 紙はご馳走 ー和紙と唐紙 サマザマな紙で摺るー」

 東京藝術大学版画研究室 三井田盛一郎

こんないい方をしてみます。「ご馳走を食べなかったり、とても偏食な人がいる。」版画を作ったりドローイングするときに様々な紙を実験してみるというと、さほどは不思議に聞こえないでしょう。ところが、私の見るところ多くの作り手は、ある紙と出会ってしまうとそればかり使うようになるようです。これも当然のことです。この出会ってしまった紙は、その作り手の目的にかなったものだったのでしょうし、この用紙に合う技術や技法も育っていくのですから。という訳でこれをただ偏食と決めつけてしまうこともできないのです。
では、いろいろな紙を使ってみる意義は?と考えてみます。私自身は本当に様々な紙を制作に使っています。和紙から始まり洋紙に今回のテーマでもある唐紙も使います。この時、“接ぎ木をすること”とか“レンブラント”という名前をいつも思い浮かべています。ご存知の方も多い出来事ですが、レンブラントは様々な紙、特に鳥の子系の和紙に銅版画を刷っていた人でした。これは17世紀オランダと日本との関係が生んだ幸運ですが、レンブラントは相当数の和紙を手にすることができたようです。これによって今まで麻の洋紙に刷られていた銅版画が彼の中で変容します。可能性や潜在性は可能になって初めて可視化されます。その後は当然のように流通、使用されます。和紙に刷られた銅版画が作るイメージは洋紙への印刷や紙の下準備の方法をも変えていったことでしょう。そして、私たちが知る素晴らしいレンブラント版画が現れました。日本の高品質な素材に西洋の銅版画技術が接ぎ木された瞬間です。
さて、この度の唐紙と和紙という課題ですが、比較研究という程をなさないように思いました。私を含め4-5人の作り手それぞれの手つきで紙を使ってみます。データを取る作業ではなく、紙と人との1対1対応の反応が起こるというイメージを持っていただけると幸いです。作品の方向、紙への経験の度合いや深度によって起こる反応は変わるはずです。版画や絵を作る者にとって紙は正にご馳走です。それでも味わい方を知り料理人が準備したことが分かるには少々時間がかかるようです。


■プロフィール
三井田盛一郎/ MIIDA SEIICHIRO
1965年 東京生まれ、1992年 東京芸術大学美術学部卒業、1993年 同大学院 版画中退 /現在 東京藝術大学 准教授
展覧会:
2000:町田市立国際版画美術館作家招聘次代をになうアーティスト達 ①三井田盛一郎展
2009:EXHIBITION MIIDA SEIICHIRO  尾道市立白樺美術館
2011:AWAGAMI and Print Expression 2011文房堂ギャラリー(東京)
2014:国際木版画会議2014 展覧会:木版ぞめき
2015:Exhibition MIIDA SEIICHIRO – “岸壁の父母-此の人の月日” Higure17-15 cas.
2017:日中交流展「紐帯」寧波美術館(中国寧波)
2018:“ビーナスを綴じる”The Artcomplex Center of Tokyo
他個展多数