月例会見学ご希望の方々へ

見学希望の方は、9月12日(水)まで、添付「Web申し込み書」に必要事項を記入の上、下記例会委員専用アドレスへ添付してお送り下さい。entry@washiken.sakura.ne.jpまた、事務局宛に「FAX申し込み書」(03-5685-7780)でお申し込み下さい。見学詳細はこちらからご連絡いたしますので、必ずご連絡先を明記して下さい。もし明記がない場合は受付できません。なお、当日見学代として1,000円ご用意下さい。また、見学者が多い場合はお断りすることもありますので、お早めにお申し込み下さい。
FAX 申し込み書<Wordファイルです
◆ 9月例会
日 時:9 月15日(土)13:30 ~17:00
会 場:小津和紙本社ビル 6階会議室
13:00 ~ 13:30 フリートーク
※会員相互の情報交換の時間としてご利用ください。
13:30 ~ 14:40 第16 回宍倉ゼミ 宍倉佐敏 会員(下記参照)
14:40 ~ 14:50 休憩
14:50 ~ 16:40 招聘講師 杉本一樹 発表
「正倉院で紙から学んだこと」 (次頁参照)
16:30 ~ 17:00 事務連絡・片付け・退出
※当日の進行状況により、スケジュールが多少前後する場合がございます。予めご了承下さい。

第16回 宍倉ゼミ 3回連続        プロジェクター・DMS使用予定
題名:「唐紙・和紙・洋紙の歴史と各紙の共通点と相違点 〈第1回〉」
女子美術大学特別招聘教授 宍倉佐敏 会員

中国の唐紙、日本の和紙、西洋の洋紙にはそれぞれ歴史があり、製法や制作の理念・形態も異なるが、これらの全てがペーパーである事は間違い無しこれらの共通点は何が相違点はどこに在るのか、中国の紙の発明と唐紙に変化していく様子、中国から伝った紙が和紙に変化し多様性が拡大した事、発展が遅れた洋紙が機械力の導入で大きく変化した姿などを検討する。
※ このテーマにつきましては、今回より、全3回の講義となります。

「正倉院で紙から学んだこと」        PC・プロジェクター使用予定

             招聘講師 杉本一樹 (前宮内庁正倉院事務所長)

 「正倉院の紙」は、和紙文化の源流として限りない価値をもつ存在であるが、実際に手にとって詳しく観察する機会は稀である。ここに、専門家による調査の必要性が生まれる。発表者は永年、主として日本古代史の立場から正倉院宝物調査に従事するなかで、正倉院の紙全般を、奈良時代の文化のなかに位置づけ、紙がどのように使われていたかを考える機会があった。そこで、紙の専門調査を企画し、その調査には、専門家と、その調査成果を待ち望む多くの研究者や実際に紙を扱う方々とのなかだちをする「(紙の)準専門家」という立ち位置を選んだ。このあたりの道筋を振り返り、正倉院の紙全般の紹介を織り交ぜながらお話ししたい。
漉き目調査
■ 講師略歴
杉本一樹(すぎもと かずき) 前宮内庁正倉院事務所長 
昭和32(1957)年東京都生まれ
【学歴】
日本古代史専攻,東京大学大学院博士課程中退 2002(平成14)年、東京大学から 博士(文学) の学位授与
【経歴】
1983(昭和58)年 宮内庁正倉院事務所採用 正倉院文書・聖語蔵経巻を初めとする宝物の調査研究に従事、主任研究官・調査室長・整理室長・保存課長を
へて2008(平成20)年4月から正倉院事務所長、
2017(平成29)年3月、定年退職。4月、正倉院事務所宝物調査員、東大寺学術顧問、奈良文化財研究所客員研究員に就任、現在に至る。

2018年度和紙文化研究会月例会予定

2018会員発表予定表

※2018/8月は休会ですので見学はできません。

※テーマは仮題です。担当がまだ決定していない場合もあります。なお、発表者・発表内容・スケジュールなど変更になる場合があります。各月のお知らせをご確認下さい。

◆研修会・研修旅行 

第12回ミニ研修会
「江戸からかみ東京松屋訪問」
日 時:2018 年8 月4 日(土) 
集 合:13 : 00 会場にて
会 場:〒110-0015 東京都台東区東上野6-1-3 東京松屋UNITY
    TEL(03)3842-3785 FAX(03)3842-3820
    http://www.tokyomatsuya.co.jp/showroom/honten.html

第27 回和紙文化研究会研修旅行のお知らせ
 「九州 ―佐賀市肥前名尾和紙・吉野ヶ里・福岡県大宰府・八女市八女和紙・筑後和紙」
旅 程:2018 年10 月5日(金)、6日(土)、7日(日)
10 月5日(金) (各安レンタカー利用)              
集 合:佐賀空港 到着ロビー12時集合 
    〈ANA羽田発7:25~佐賀着9:15 羽田発9:50~佐賀発11:40〉
  訪 問:肥前 名尾和紙 佐賀市大和町大字名尾4754
      電話 0952-63-0334 
  13:30 名尾和紙 http://www.naowashi.com/2-kougei.html
      見学終了後→吉野ヶ里公園→JR 佐賀駅→八女市
  宿 泊:八女市 各自手配(地元漉き手さんお勧めはグリーンホテル)
10 月6 日(土) 
  9:00 八女和紙工房の里見学 
     八女手漉き和紙資料館 八女伝統工芸館ほか
     見学終了後、博多へ移動。福岡泊。ホテル各自手配。
    http://www.frabon.co.jp/wasi1.html
    http://www.yame-kougeikan.jp/
10 月7 日(日)  
  大宰府、九州国立博物館ほか見学。15時ごろ解散。

研修会も研修旅行も
申込締切:9月例会日(9月15日)
担 当: 小井川元慈 電話 044-788-7261

◆会員情報

報告会

“筑後の伝統工芸展”を終えて             狩野啓子会員関連

 5月に久留米大学比較文化研究所 文化財保存科学研究部会は国際交流基金の助成の内定を受け「久留米大学 文化財保存科学研究部会(日本文化紹介:筑後伝統工芸)イタリア レクチャー・デモンストレーション・ワークショップ」と題する事業(筑後の伝統工芸を紹介)を、イタリアのローマとフィレンツェで開催されました。
 その報告会が八女伝統工芸館で7月7日に行なわれました。

 

八女報告会チラシ

 

◆新刊情報

武田政子の博多演劇史 『芝居小屋から』
                          狩野啓子 会員関連
著者:武田政子…J…o†[−Ö„W.eca
編者:狩野啓子・岩井眞實
定価:本体2500円+税        
版元:海鳥社
発売:2018年6月20日
判型:四六判
装幀:上製・カバー
頁数:246ページ
海鳥社HP http://kaichosha-f.co.jp/
書籍P http://kaichosha-f.co.jp/books/literature-and-record/4771.html

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編者序文                             狩野啓子

 

 人との出会いによって、何かが展開することがある。武田政子さんとの出会いは、

私にとってそういう一例であった。戦後文学研究の一環として、占領政策下での博多の演劇について調べていた私を、武田さんに引き合わせてくれた人がいた。紹介

者は、産婦人科医の天児都さん。武田さんの福岡女学院時代の教え子である。

 武田さんへのインタビューの目的は、貴重なお話を伺えたことで十分達せられたのだが、武田さんの話はそれにとどまらず、どんどん時代をさかのぼり、明治の博多の芝居について、まるですぐそばで見ているような臨場感をもって、生き生きと繰り広げられた。その知識と話術に魅了された私は、もっとお話を聴きたくなった。

 武田さんが博多の芝居に詳しいのも不思議ではない。政子さんの父親は、大博劇場の経営にたずさわった武田米吉さん。祖父は武田与吉さん。明治時代からの博多の芝居に非常に縁の深い方だったのである。政子さんも小さい頃から、芝居小屋の空気を吸って育った。

 夕御飯がすんでから普段着のままで気軽に見物に行ったお芝居の楽しさを、武田さ

んは昨日のことのように語った。呉服町近辺は今のように早々と暗くはならなかったそうである。

 武田さんの芝居通いは、上京して、お茶の水の東京女子高等師範学校に在学中も続いたという。帰郷後は数年教壇に立った後、劇場運営を手伝ったが、昭和二十一(一九四六)年以降は福岡女学院に戻り、昭和四十七年の定年まで国語の教員として大勢の生徒を教えてこられた。

 退職後、大博劇場のことを調べておきたいという強い思いから、当時須崎にあった福岡県立図書館に通って新聞を読み、関連する記事をノートに書き写す作業を始めた。そのうち、大博劇場にとどまらず、明治以降の博多の芝居について、できるだけ正確に調べてみたいと考えるようになり、東京の国立劇場等にも通い、ノートは膨大なものになっていった。

 そのようないきさつをお聞きし、十冊を超えるノートと、「芝居小屋から」と題する文章の構想を拝見し、これは大変な仕事だと思った。とにかく何とか仕上げていただきたい。埋もれてしまうのはあまりにももったいない。江戸の名残をとどめながら、近代化のきざしも表れてくる明治時代の状況は、私自身がぜひ勉強したいところでもあった。近代は近世と切断されてはいないのだから。毎回わくわくしながら武田さんの話に耳を傾けることから、仕事が始まった。…後述略