月例会見学ご希望の方々へ
見学希望の方は、2月13日(木)まで、添付「Web申し込み書」に必要事項を記入の上、下記例会委員専用アドレスへ添付してお送り下さい。entry@washiken.sakura.ne.jpまた、事務局宛に「FAX申し込み書」(03-5685-7780)でお申し込み下さい。見学詳細はこちらからご連絡いたしますので、必ずご連絡先を明記して下さい。もし明記がない場合は受付できません。なお、当日見学代として1,000円ご用意下さい。また、見学者が多い場合はお断りすることもありますので、お早めにお申し込み下さい。
FAX 申し込み書<Wordファイルです>
◆ 2月例会
日 時:2月15 日(土)13:30 ~17:0 0
会 場:小津和紙本社ビル 6階会議室
13:00 ~ 13:30 フリートーク
※会員相互の情報交換の時間としてご利用ください。
13:30 ~ 14:40 第26 回宍倉ゼミ宍倉佐敏 会員(下記参照)
14:40 ~ 14:50 休憩
14:50 ~ 16:40 「版画レポート2020 紙はご馳走-
和紙と唐紙サマザマな紙で摺る-」
東京藝術大学版画研究室 三井田盛一郎会員
(下記参照)
16:40 ~ 16:50 事務連絡
16:50 ~ 17:00 片付け・退出
※当日の進行状況により、スケジュールが多少前後する場合がございます。予めご了承下さい。
第26回 宍倉ゼミ P C・プロジェクター使用
題 名「和紙 風土・歴史・製法 8『阿波和紙』」
女子美術大学特別招聘教授 宍倉佐敏 会員
四国には多くの和紙産地が点在している。これは水質の良い河川が多く在り、近在の土地には性質の異なった楮が生育して、多くの種類の紙が生産されている。特に土佐の紙を育てた仁淀川と川沿いに点々と存在する吉野川が知られ、平地の少ない土地では漆を使った木地や和傘・竹材に和紙が使われた。
平安時代には「姿うるわしき紙」が阿波にあったと言われたが残された物は無い。江戸時代には多くの紙が漉かれ、明治期には最盛期を迎えたが洋紙の発展と共に和紙は減退し、昭和四十三年に富士製紙一戸となったが、県の無形文化財にされた藤森実氏が和紙産業会館を設立し、その後和紙技術の伝統と紙や文献の保存を目的に和紙研修所を設立した。これらの様子を顧みる。
会員発表 PC・プロジェクター使用
「版画レポート2020 紙はご馳走 ー和紙と唐紙 サマザマな紙で摺るー」
東京藝術大学版画研究室 三井田盛一郎
こんないい方をしてみます。「ご馳走を食べなかったり、とても偏食な人がいる。」版画を作ったりドローイングするときに様々な紙を実験してみるというと、さほどは不思議に聞こえないでしょう。ところが、私の見るところ多くの作り手は、ある紙と出会ってしまうとそればかり使うようになるようです。これも当然のことです。この出会ってしまった紙は、その作り手の目的にかなったものだったのでしょうし、この用紙に合う技術や技法も育っていくのですから。という訳でこれをただ偏食と決めつけてしまうこともできないのです。
では、いろいろな紙を使ってみる意義は?と考えてみます。私自身は本当に様々な紙を制作に使っています。和紙から始まり洋紙に今回のテーマでもある唐紙も使います。この時、“接ぎ木をすること”とか“レンブラント”という名前をいつも思い浮かべています。ご存知の方も多い出来事ですが、レンブラントは様々な紙、特に鳥の子系の和紙に銅版画を刷っていた人でした。これは17世紀オランダと日本との関係が生んだ幸運ですが、レンブラントは相当数の和紙を手にすることができたようです。これによって今まで麻の洋紙に刷られていた銅版画が彼の中で変容します。可能性や潜在性は可能になって初めて可視化されます。その後は当然のように流通、使用されます。和紙に刷られた銅版画が作るイメージは洋紙への印刷や紙の下準備の方法をも変えていったことでしょう。そして、私たちが知る素晴らしいレンブラント版画が現れました。日本の高品質な素材に西洋の銅版画技術が接ぎ木された瞬間です。
さて、この度の唐紙と和紙という課題ですが、比較研究という程をなさないように思いました。私を含め4-5人の作り手それぞれの手つきで紙を使ってみます。データを取る作業ではなく、紙と人との1対1対応の反応が起こるというイメージを持っていただけると幸いです。作品の方向、紙への経験の度合いや深度によって起こる反応は変わるはずです。版画や絵を作る者にとって紙は正にご馳走です。それでも味わい方を知り料理人が準備したことが分かるには少々時間がかかるようです。
■プロフィール
三井田盛一郎/ MIIDA SEIICHIRO
1965年 東京生まれ、1992年 東京芸術大学美術学部卒業、1993年 同大学院 版画中退 /現在 東京藝術大学 准教授
展覧会:
2000:町田市立国際版画美術館作家招聘次代をになうアーティスト達 ①三井田盛一郎展
2009:EXHIBITION MIIDA SEIICHIRO 尾道市立白樺美術館
2011:AWAGAMI and Print Expression 2011文房堂ギャラリー(東京)
2014:国際木版画会議2014 展覧会:木版ぞめき
2015:Exhibition MIIDA SEIICHIRO – “岸壁の父母-此の人の月日” Higure17-15 cas.
2017:日中交流展「紐帯」寧波美術館(中国寧波)
2018:“ビーナスを綴じる”The Artcomplex Center of Tokyo
他個展多数
2020年2月10日 | トピック:例会