例会

7月オンライン月例会 会員発表

7月オンライン月例会 会員発表            2021/7/17(土)

「和紙― 昨日・今日・明日」               田村 正 会員

田村会員は、和紙を通して自分なりの「過去・現在・未来」を思い、そして問いかけているようです。
〔昨日〕として、『和紙研究』第一号の編集後記について感じること。
〔今日〕として、小学4年生の国語の教科書に掲載された「世界にほこる和紙」増田勝彦著を見て資料を作成しました。田村会員が準備した3枚の紙を会員に郵送で配布し、オンラインでも可能な体験型の実験を行います。その内容は明かされていません。楽しみにして下さい。
〔明日〕として、現在NPO 法人向日庵理事として、昭和8 年に建てられた寿岳邸「向日庵」の保存活動していること。

【プロフィール】
田村 正(TAMUR Tadashi)1954 年 新潟県村上市生まれ
1988 年~90 年 「細川紙」伝統工芸士 江原土秋氏に師事
現在、和紙文化研究会会員・日本文化体験交流塾会員・和文化教育学会会員・NPO 法人向日庵理事・京都工芸繊維大学工芸科学部非常勤講師

関連HP(向日市文化資料館)
https://www.city.muko.kyoto.jp/kurashi/bunka/moyoshi/1449541564567.html

和紙関連 オンライン配信シンポジウム

和紙関連 オンライン配信シンポジウム

テーマ:越前和紙の里の未来を考える②
日 時:2021年2月27日 14:00~17:00
配信ソフト:Zoom
参 加:自由 無料

構成
第1部:
和紙の里と世界を結ぶ、キュレーター(コーディネーター)の必要性等の話。
第2部:
人間国宝 岩野市兵衛さんのトーク(収録)とアイオア大学教授ニコラスさんのアイオア大学での取り組みが紹介.
第3部:
パネルディスカッション

Zoomミーティングに参加する
https://zoom.us/j/93561579640?pwd=eDBVa3NGOEtkeFRoZTRvSVFTQkdoUT09

ミーティングID: 935 6157 9640
パスコード: 999988

なお、上記URLをクリックしますと、zoomのソフトが自動的にダウンロードされ たり、ソフトをダウンロードいたします。参加される場合は画面の指示通り進め てくだ さい。(ZOOM未使用の方は、開催日少し余裕を持って実施されることを おすすめ いたします)

参加予定がないのにクリックしてしまった場合は、無視していただくか、ボタン があれば「キャンセル」を押してください。

問合せ先 株式会社石川製紙 担当: 石川  hiroshi@echizenwashi.net

オンライン月例会見学ご希望の方々へ

オンライン月例会見学ご希望の方々へ

和紙文化研究会は新型コロナ感染症により、昨年3月より休会しておりましたが、昨年10月よりオンライン配信の月例会を模索して、12月より60分程度の会員向け試験配信を始めております。実際に顔を合わせたり展示品などを見ることができませんが、これまで参加できなかった地方の会員などの参加もあり、有効性を感じております。
そこで、試験配信ではありますが、通常月例会と同じ規模で、会場参加(後述)とオンライン配信を並行する試みを行なうことになり、見学もオンライン配信で一次再開することになりました。
見学に関するお願いは下記いたします。今回は通常1,000円の見学料は不要ですが、配信技術や環境の関係から人数を限定し、音声や画像など予想できない色々なトラブルの可能性もあり、また、今後のためにアンケートにご協力いただくことをご承知いただいた上で、お申込みいただければと考えております。

今回の見学にあたって
◇募集参加人数:20名
◇ 見学費:無料
◇ 月例会後、アンケートへの回答をお願いいたします。
◇申込方法:指定のアドレスに必要事項をお送りいただくことになります。詳細は下記をご覧下さい。
◇申込〆切:2月16日(火)ですが、その前に人数に達した場合は、今回は参加を見送っていただくことになりますのでご了承のほどお願いいたします。

オンライン配信ソフトについて
現段階では「Microsoft Teams(マイクロソフト チームス)」を使用しております。使い方等はマイクロソフト社HPなどをご覧いただくか、
https://office- hack.com/teams/teams-how-to-use/
などをご参照のほどお願いいたします。なお、見学申し込み者には「マイクロソフト Teams(無料版)について」の内部 用解説文書を添付にてお送りいたします

申込みと配信を受ける流れ

1)マイクロソフトのアカウントの取得
Microsoft Teamsを利用する場合は、マイクロソフトのアカウントが必要です。(Windowsやマイクロソフトオフィスを使用中の方はすでにアカウントが作成さ れています。)持っていない方は個々人で作成することになります。作成の方法はWeb上で「マイクロソフト アカウント」で検索をかけると、「新しいMicrosoftアカウント作成方法」とMicrosoftのサポートがありますので、そこから作成して下さい。

2)お申込み
1)でアカウントを取得できましたら、その時設定した①メールアドレス、②氏名、③〒・住所、④電話、⑤所属または分野を、以下のアドレスに「オンライン見学申込み」としてご連絡下さい。なお、連絡用のメールアドレスと①とが同一であることにご注意下さい。違う場合はこちらから連絡が届かないことがあります。
 washiken-netreikai@washiken.sakura.ne.jp

3)事前登録
「申込み」を受けて当会では事前登録をします。登録が完了した方には、月例会の2~3日前に案内メールが届きます。当日は、その案内メールに記載されたURLをクリックして、Teamsの会議室に入室してください。前日までに案内メールが届かない方は、恐れ入りますが以下のメールアドレスへお問合せください。
washiken-netreikai@washiken.sakura.ne.jp

 

 

◆ 2月例会
日 時:2 月20日(土)
会 場:CROSS BE(セミナールーム)
山梨県甲府駅前 https://crossbe.co.jp/
13:00 開場・オンライン配信接続開始
13:30 ~ 14:30 第26回 宍倉ゼミ 宍倉佐敏会員 (下記参照)
14:30 ~ 14:45 休憩
15:00 ~ 16:45 「平安文学の中にある紙の美しさ —越前
装飾料紙の世界—」 日野楠雄会員(下記参照)
1部と2部の間に休憩が入ります。
16:45 ~ 17:00 事務連絡・退出・オンライン配信接続終了

※試験配信ということもあり、当日の進行状況により、スケジュールが前後する場合がございます。予めご了承下さい。

 

第26回 宍倉ゼミ              P C・プロジェクター使用
題 名 植物用紙と和紙の変遷 第1回「紙の基礎 聖徳太子の頃 大麻と苧麻 楮の繊維」
「紙の温度」技術顧問 宍倉佐敏 会員
第 1回は紙の原料になる植物繊維は何からどのようにできるか、
その構造は ?
植物組織の中で繊維の役割は ?
隣や周辺の物質は何だろうか ?
繊維が水中で変化する特性などを学び、この繊維が紙に変化して聖徳太子の頃に伝えられたか、最初に使われた麻類は苧麻か大麻か、日本に多く栽培されていた楮は何時頃に紙の主体原料になったかなどを想像してみましょう。

会員発表                   PC・プロジェクター使用
「平安文学の中にある紙の美しさ —越前装飾料紙の世界—」        
                           日野楠雄 会員
「枕草子」や「源氏物語」で有名な平安文学には、きれいな色や模様のついた装飾料紙に筆と墨で書いたものが残っています。その色合いは“日本の美”の原点の一つと言えるでしょう。また、その中には主に和歌を綴った名筆が数多くあり、書の世界では「古筆」と呼び珍重されてきました。それは現在でも“かな”のお手本とされ、同時にかな書道の憧れとなっています。
この料紙は、鮮やかで金銀を散りばめた豪華絢爛なものだけではなく、淡い茫洋としたものや、途切れる不安定さに隠れる線状美もあります。今回紹介するものは、紙を漉きながら作る後者であり、私が一次装飾と呼ぶ「打雲」「飛雲」「羅紋」「いろ紙」がそうです。
この8年、この平安装飾料紙の復元を、福井県越前和紙の方々と進めており、平安装飾の説明とともに、復元した原物を会場に展示し、映像を通して皆さんのお手元にその魅力を届けてみたいと思います。
1部 平安時代の装飾料紙について
復元プロジェクトの軌跡
2部 復元品の説明と鑑賞
復元に関して協力者とのやり取り
参加者(会場・オンライン共)の質問応答

協 力:装飾料紙復元プロジェクト(石川浩・五十嵐康三・柳瀬晴夫・岩野麻貴子・五十嵐美佐子・山路勝海・西野正洋・村田菜穂)、名児耶 明(元五島美術館副館長)、越前市、福井県和紙工業協同組合

①復元 打雲

 

②復元 飛雲

③復元 羅紋

■プロフィール
日野楠雄(Nanyu HINO)
1961年山形県生。子雲、開物庵と号す。
書芸術活動と共に、文房四宝(筆墨硯紙)と拓本を研究する。20代に書体字典の編纂に関わり古代文字と出会い、近年はそれを和紙に淡墨で表現する新しい世界を拓いている。大東文化大学・國學院大學非常勤講師、和紙文化研究会運営委員。
論著
『筆の源流 巻筆の世界 —攀桂堂雲平筆四百年—』(2015年 攀桂堂)
「拓本の役割と実践—北魏高貞碑や古梅園墨型拓などを見ながら」
        (四国大学書道文化学会『書道文化第12号』2016年) 他
『和紙文化研究』
25号「デジタルマイクロスコープによる平安古筆の紙質調査分析について」 2017年  
27号「紙と墨の保存性について」2019年  他
展覧会
「千変万化、和紙が生み出す墨色の美しさ」 紙の温度ギャラリー 個展 2014年
「踊る古代文字」 越前市主催 紙の文化博物館 個展 2019年  他
講演・発表
和紙文化研究会 「墨とはどういうものか ? —記録性・表現性、紙との関係と保存も考えてみる―」2018年
因州和紙書道フォーラム(鳥取市) 「因州和紙と墨色の妙味 ~単純から生み出される複雑と不思議~」2019年 
地域文化計画月例会(高知市)「土佐の紙と硯から生まれる書と◯◯」2021年 他

月例会見学ご希望の方々へ

 見学希望の方は、2月13日(木)まで、添付「Web申し込み書」に必要事項を記入の上、下記例会委員専用アドレスへ添付してお送り下さい。entry@washiken.sakura.ne.jpまた、事務局宛に「FAX申し込み書」(03-5685-7780)でお申し込み下さい。見学詳細はこちらからご連絡いたしますので、必ずご連絡先を明記して下さい。もし明記がない場合は受付できません。なお、当日見学代として1,000円ご用意下さい。また、見学者が多い場合はお断りすることもありますので、お早めにお申し込み下さい。

FAX 申し込み書<Wordファイルです

◆ 2月例会
日 時:2月15 日(土)13:30 ~17:0 0
会 場:小津和紙本社ビル 6階会議室
13:00 ~ 13:30 フリートーク
※会員相互の情報交換の時間としてご利用ください。
13:30 ~ 14:40 第26 回宍倉ゼミ宍倉佐敏 会員(下記参照)
14:40 ~ 14:50 休憩
14:50 ~ 16:40 「版画レポート2020 紙はご馳走-
和紙と唐紙サマザマな紙で摺る-」
東京藝術大学版画研究室 三井田盛一郎会員
(下記参照)
16:40 ~ 16:50 事務連絡
16:50 ~ 17:00 片付け・退出
※当日の進行状況により、スケジュールが多少前後する場合がございます。予めご了承下さい。

第26回 宍倉ゼミ               P C・プロジェクター使用
題 名「和紙 風土・歴史・製法 8『阿波和紙』」
               女子美術大学特別招聘教授 宍倉佐敏 会員
四国には多くの和紙産地が点在している。これは水質の良い河川が多く在り、近在の土地には性質の異なった楮が生育して、多くの種類の紙が生産されている。特に土佐の紙を育てた仁淀川と川沿いに点々と存在する吉野川が知られ、平地の少ない土地では漆を使った木地や和傘・竹材に和紙が使われた。
平安時代には「姿うるわしき紙」が阿波にあったと言われたが残された物は無い。江戸時代には多くの紙が漉かれ、明治期には最盛期を迎えたが洋紙の発展と共に和紙は減退し、昭和四十三年に富士製紙一戸となったが、県の無形文化財にされた藤森実氏が和紙産業会館を設立し、その後和紙技術の伝統と紙や文献の保存を目的に和紙研修所を設立した。これらの様子を顧みる。

会員発表                   PC・プロジェクター使用

「版画レポート2020 紙はご馳走 ー和紙と唐紙 サマザマな紙で摺るー」

 東京藝術大学版画研究室 三井田盛一郎

こんないい方をしてみます。「ご馳走を食べなかったり、とても偏食な人がいる。」版画を作ったりドローイングするときに様々な紙を実験してみるというと、さほどは不思議に聞こえないでしょう。ところが、私の見るところ多くの作り手は、ある紙と出会ってしまうとそればかり使うようになるようです。これも当然のことです。この出会ってしまった紙は、その作り手の目的にかなったものだったのでしょうし、この用紙に合う技術や技法も育っていくのですから。という訳でこれをただ偏食と決めつけてしまうこともできないのです。
では、いろいろな紙を使ってみる意義は?と考えてみます。私自身は本当に様々な紙を制作に使っています。和紙から始まり洋紙に今回のテーマでもある唐紙も使います。この時、“接ぎ木をすること”とか“レンブラント”という名前をいつも思い浮かべています。ご存知の方も多い出来事ですが、レンブラントは様々な紙、特に鳥の子系の和紙に銅版画を刷っていた人でした。これは17世紀オランダと日本との関係が生んだ幸運ですが、レンブラントは相当数の和紙を手にすることができたようです。これによって今まで麻の洋紙に刷られていた銅版画が彼の中で変容します。可能性や潜在性は可能になって初めて可視化されます。その後は当然のように流通、使用されます。和紙に刷られた銅版画が作るイメージは洋紙への印刷や紙の下準備の方法をも変えていったことでしょう。そして、私たちが知る素晴らしいレンブラント版画が現れました。日本の高品質な素材に西洋の銅版画技術が接ぎ木された瞬間です。
さて、この度の唐紙と和紙という課題ですが、比較研究という程をなさないように思いました。私を含め4-5人の作り手それぞれの手つきで紙を使ってみます。データを取る作業ではなく、紙と人との1対1対応の反応が起こるというイメージを持っていただけると幸いです。作品の方向、紙への経験の度合いや深度によって起こる反応は変わるはずです。版画や絵を作る者にとって紙は正にご馳走です。それでも味わい方を知り料理人が準備したことが分かるには少々時間がかかるようです。


■プロフィール
三井田盛一郎/ MIIDA SEIICHIRO
1965年 東京生まれ、1992年 東京芸術大学美術学部卒業、1993年 同大学院 版画中退 /現在 東京藝術大学 准教授
展覧会:
2000:町田市立国際版画美術館作家招聘次代をになうアーティスト達 ①三井田盛一郎展
2009:EXHIBITION MIIDA SEIICHIRO  尾道市立白樺美術館
2011:AWAGAMI and Print Expression 2011文房堂ギャラリー(東京)
2014:国際木版画会議2014 展覧会:木版ぞめき
2015:Exhibition MIIDA SEIICHIRO – “岸壁の父母-此の人の月日” Higure17-15 cas.
2017:日中交流展「紐帯」寧波美術館(中国寧波)
2018:“ビーナスを綴じる”The Artcomplex Center of Tokyo
他個展多数

月例会見学ご希望の方々へ

 見学希望の方は、1月16日(木)まで、添付Web申し込み書」に必要事項を記入の上、下記例会委員専用アドレスへ添付してお送り下さい。entry@washiken.sakura.ne.jpまた、事務局宛に「FAX申し込み書」(03-5685-7780)でお申し込み下さい。見学詳細はこちらからご連絡いたしますので、必ずご連絡先を明記して下さい。もし明記がない場合は受付できません。なお、当日見学代として1,000円ご用意下さい。また、見学者が多い場合はお断りすることもありますので、お早めにお申し込み下さい。

FAX 申し込み書<Wordファイルです

◆ 1月例会
日 時:1 月18 日(土)13:30 ~17:0 0
会 場:小津和紙本社ビル 6階会議室
13:00 ~ 13:30 フリートーク
※会員相互の情報交換の時間としてご利用ください。
13:30 ~ 14:40 第8回増田ゼミ増田勝彦 副会長(下記参照)
14:40 ~ 14:50 休憩
14:50 ~ 16:40 「掛軸の形式と素材について」 宇佐美直治会員(下記参照)
16:40 ~ 16:50 事務連絡
16:50 ~ 17:00 片付け・退出
※当日の進行状況により、スケジュールが多少前後する場合がございます。予めご了承下さい。

 

第8回 増田ゼミ               P C・プロジェクター使用
題 名「紙と印刷」
                           増田勝彦 副会長
新しい技術を支える材料がある場合、あるいは新しい材料によって技術が新しく発展する場合が考えられますが、紙と印刷に関して、そのような観点で、日本における代表的な印刷3種、経巻の印刷と紙、浮世絵の摺りと紙、唐紙の摺と紙を見てみましょう。
1.経巻の印刷と紙、
2.浮世絵の摺りと紙、
3.唐紙の摺と紙

 

会員発表                   PC・プロジェクター使用
「掛軸の形式と素材について」        
                           宇佐美直治 会員
書や絵画の鑑賞・保存のために和紙・裂・糊などを使って掛軸・巻物・額・屏風・襖・衝立などに仕立てたものを表具といいます。なかでも代表的な仕立てかたである掛軸には多くの形式があり、その形式は、好みで自由に選ぶのではなく、本紙によって使い分けられています。また、形式だけでなく、表具裂や軸首などにも多くの種類があり本紙に相応しいものを選びます。表具裂の代わりに和紙を使用した紙表具の掛軸もあります。また、掛軸の工程にも和紙が使用されています。実際に掛軸や和紙や裂をご覧いただきながらご説明させていただきます。
①表具の道具

②糊

③肌裏打ち

 

④総裏打ち

■プロフィール
宇佐美直治(Naoharu USAMI)
株式会社宇佐美修徳堂代表取締役、「京表具」伝統工芸士
(株)宇佐美松鶴堂8 代目宇佐美直八の次男として生まれる。
1989 年(株)宇佐美松鶴堂入社、京都国立博物館内文化財修復センターの宇佐美松鶴堂工房にて文化財修復に携わる。2006 年(株)宇佐美松鶴堂退社、(株)宇佐美修徳堂設立