◆会員情報

益財団法人 紙の博物館 友の会の集い
【「コウゾ、カジノキなどをDNA分析で見直す~現状と今後~」】 師 佐藤洋一郎先生
和紙の主要原料植物としてのクワ科コウゾ、カジノキなどは、古くからその呼称に混乱が見られており、この問題に対してDNA分析を応用すれば、という前提で、お話頂きます。佐藤先生は、考古学にDNA分析手法を導入され、特に日本の稲作起源について新しい論拠を発表されたことで著名な方です。DNA分析とは何か、から一般の人にも分かりやすく解説下さいます。
どうぞご期待下さい。
講師紹介
講師 佐藤洋一郎先生
所属 京都産業大学フューチャーセンター教授
専攻 植物遺伝子学
学位 農学博士(京都大学)
経歴 高知大学農学部助手(1981)国立遺伝子研究所研究員(1983)
静岡大学農学部助教授(1994)総合地球環境学研究所研究部教授(2003)
同名誉教授(2013)
学歴 京都大学農学部卒(1977)京都大学農学研究科修士課程修了(1979)
受賞 松下幸之助花の万博記念奨励賞(2001)他
要領
① 日時  平成26年10月11日(土) 午後1時30分~3時00分 受付開始 午後1時00分より
② 会 場  紙の博物館 講堂
③ 定 員  90名 (会員優先ですが、余裕があります)
④ 会 費  無料 (一般の方は要入館料となります)
⑤ 申 込  往復はがきで先着順 (氏名、住所、電話番後、会員の旨明記)でお申込み下さい。
⑥ 宛 先  〒114-0002 東京都北区王子1-1-3 紙の博物館 佐藤先生講演会係 宛

http://www.papermuseum.jp/

◆和紙情報

「和紙の里」35号紹介

編集・発行:越前和紙を愛する会
発行日:平成26年7月20日
判型:B5判
装幀:並製 60頁
附録:油団の裏打用紙「傘紙」見本・加藤翠峰さん「風俗点描」図

「あとがき」の最後で藤本正晃編集長は「久々に越前和紙が海外に飛び出すなど、社会の変化に応じた新たな動きがありました。確かな伝統技術の中から新たな用途に適応できる和紙の創出に向かって精進がなされるよう期待したいものです。」と記されています。和紙の未来にとって大切なことであり、興味深い論文や報告が多数掲載されています。

〈目次〉
「越前和紙の製作用具及び製品」の指定と保護  菊池健策
指定の意義とその後は…                石川満夫
「越前手漉和紙用具製作技術保存会」を設立   石川 浩
全国屈指の民家庭園                        藤原武二
日本の夏 油団の涼                          神野善治
大瀧神社所蔵「社殿絵図」の調査              吉田純一
日本近世の建築図面                        後藤久太郎
「カジの木の会」和紙の里交流記                川崎 博
越前和紙の郷 交流・見聞録                   河野徳吉
「越前和紙」の『和』は、「調和」の『和』                 奈良正博
和紙文化の奥深さに感動                     小泉悦夫
和紙の里を訪ねて                            大久保智弘
越前和紙に魂が宿る                          平岩典子
和紙を愛する会研修紀行 加賀の紙郷をいく    佐々木哲夫
和紙の里に生きる『今の時代』をつかむ            山下寛也
トピックス 5点
あとがき

問合せ:
〒915-0234 福井県越前市大滝町11-11 福井県和紙工業協同組合内
電話0778-43-0875 Fax0778-43-1142

和紙の里 表紙

 

「越前和紙 紙漉工場マップ」発行
越前市の五箇地区まちづくり協議会では、紙漉工房の町並みを散策できるマップを作成して好評を得ています。56工房の名前と紙種のリストとA3判の地図をご紹介します。

(画像をクリックすると拡大画像が表示されます)
マップ表紙 

紙漉工場 リスト

マップ 道並み

月例会見学ご希望の方々へ

見学希望の方は、9月17日(水)まで「添付申し込み書」に必要事項を記入の上、事務局へ月例会担当の日野宛にFAX(03-3759-7103)でお申し込み下さい。見学詳細こちらからご連絡いたしますので、必ずご連絡先を明記して下さい。もし明記がない場合は受付できません。なお、当日見学代として1,000円ご用意下さい。また、見学者が多い場合はお断りすることもありますので、お早めにお申し込み下さい。

FAX 申し込み書<Wordファイルです>

月例会
日 時:9月20日(土)
13:30~17:00 会 場:小津和紙本社ビル 6階会議室
13:00~13:30 フリートーク
13:30~14:30 日常の和紙4
「江戸からくり屏風の伝統と作り方」(下記参照)
14:40 ~16:10 会員発表
「青苧と和紙 ~山形(大江町・西川町)における地域文化力の向上への取り組み~」 (下記参照)
16:10~16:20 休憩
16:20~16:50 「和紙文化in越前」石川 浩(福井県和紙工業協同組合理事長)
16:50~17:00 事務連絡・片付け・退出

会員発表                   PC・プロジェクター使用
題 名
「青苧と和紙~山形(大江町・西川町)における地域文化力の向上への取り組み~ 」

大山龍顕 会員

発表概要
近世から近代にかけて山間部を中心に特産であった青苧(苧麻)を、一度途絶えたものの復活させようという取り組みが山形の大江町という地域で行われている。青苧に関わる地域文化遺産保護への取り組みや、隣町(西川町)の紙漉き技術(三浦一之氏)の協力を得ながら、地元の特産をより身近な素材として認知できるよう、青苧による紙作りへの取り組みを行っている。今回は、これまで行った青苧の紙作りや、講習会、ワークショップなどについて報告して、地域での取り組みなど意見交換ができればと考えている。

写真 3点挿入 なお⑤は小さいと見えないので大きくして下さい。
以下キャプション

① 刈り取った青苧の表皮を剥ぐ
①表皮を剥ぐ

② 青苧のはがき作成ワークショップ
②はがき ワークショップ150

③ 紙(楮)漉き講習会の様子
③講習会 150

【会員プロフィール】
大山龍顕(おおやま たつあき) Tatsuaki OYAMA
東北芸術工科大学文化財保存修復研究センター専任講師・研究員(東洋絵画修復)

 

日常の和紙 4
題名「江戸からくり屏風の伝統と作り方」     田中正武 会員

屏風は扇(各面)同士は接続しておらず、和紙の蝶番によって開閉できる構造になっています。和紙のしなやかさで強靭である特徴のなせる技と言えます。これを応用して粋な遊びの世界を作り出した江戸人。今見ても新鮮で子供のように食い入って見てしまいます。今回の日常の和紙は江戸から9代続く大経師の伝統を引き継ぐ田中会員にこの屏風の解説、作り方を教えていただきます。希望者4?5人には実際に製作体験もできます。
下の写真は講習会で、そのからくり具合を理解してもらうために模様のついた紙を配した体験型の屏風例です。上下2種ありますが、一つのものをタテとヨコから見ている写真であり、①の閉じた状況から右に向って②③④と広がる様子、最後の⑤は①を後方に360度折り返した状態です。④は一般の屏風にはない機能でからくりならではです。
なぜ、タテとヨコに、また360度開くのでしょう?この不思議な江戸の世界へどうぞお越し下さい。

‚XŒŽ—á‰ïˆÄ“à‚Q@‚SC

(画像をクリックすると拡大画像を表示できます)

 

「和紙文化in越前」     石川 浩 福井県和紙工業協同組合理事長
11月に越前市で開催する和紙文化in越前実行委員長でもある石川 浩さんが、今月の月例会に出席し、会場となる越前市今立の状況などのご報告と紙の見本帳などいくつか持参いただき日頃目にすることができない紙をご紹介いただく予定です。是非ともおおくの方々にご覧いただきますようお願いいたします。

小津和紙ご案内250

月例会見学ご希望の方々へ

見学希望の方は、7月16日(水)まで「添付申し込み書」に必要事項を記入の上、事務局へ月例会担当の日野宛にFAX(03-3759-7103)でお申し込み下さい。見学詳細こちらからご連絡いたしますので、必ずご連絡先を明記して下さいもし明記がない場合は受付できません。なお、当日見学代として1,000円ご用意下さい。また、見学者が多い場合はお断りすることもありますので、お早めにお申し込み下さい。

FAX 申し込み書<Wordファイルです>

月例会
日 時:7月19日(土)13:30~17:00
会 場:小津和紙本社ビル 6階会議室
13:00~13:30 フリートーク、レイアウト変更
13:30~14:30 原典講読「造紙説 越前紙漉図説」のまとめ 尾村知子会員
14:45 ~16:15 招聘講師発表
「写真、プラチナパラジウム印画法における支持体としての和紙」(下記参照)
16:15~16:25 休憩
16:25~16:45 「和紙文化in越前」 など
16:45~17:00 事務連絡・片付け・退出特別講義

題名「写真、プラチナパラジウム印画法における支持体としての和紙」

講師:西丸雅之 氏
プラチナプリントは1873年に発明された写真印画法です。工業製品として市販され純黒調で上品なマット面、豊かな階調はサロンの写真家やポートレイトで歓迎され世紀末を跨いで一世を風靡しましたが第一次世界大戦などの理由でプラチナが高騰し衰退しました。1970年代に入り写真がファインアートとして売買され始める一方で良質なモノクロ印画紙の減少していく中で自ら感光液を塗布して印画紙を作る手作りの印画法として復活を果たしました。支持体として使われる紙によって画質や雰囲気が大幅に変わってしまうので、紙は最も重要な要素だと言えます。一般には綿繊維の水彩紙をベースにした紙が多く使われていますが、和紙も使われています。日本では緻密さから雁皮紙が圧倒に人気が高いようですが、海外では柔らかな風合いを求めて楮紙を好んで使う作家もいます。
フランスのプリンター、ディディエ・ブルース氏が近江の雁皮紙にプリントした繊細で透明感のあるパオロ・ロベルシ作品の美しさに魅了され和紙に興味を持ち、様々な和紙を試しましたが確実な手応えを得られずにいました。いつか理想的な紙を作ってもらいたいと思っていたところに縁あっていの町地域雇用創造協議会のサポートの下、高知の若手紙漉き職人のグループ「土佐の山・紙資源の会」とプラチナプリント用の和紙を開発する機会を得ました。塗布および現像処理のし易さ、風合い、画質、長期保存性といった観点から試作、評価を行い土佐白金紙として製品化しました。
今回の発表ではプラチナプリントを中心に実物展示の他、プリント作業のデモも行う予定です。

1.毛氈を敷いて感光液を塗布します。高価な感光液を吸いすぎず繊維を引っ張らないよう軟らかいナイロン毛を使った専用刷毛を使います。
プラチナ 1

2.感光液を塗布したら自然乾燥します。
プラチナ 2

3.4.膜面を現像液に向けて浮かべて現像します。
プラチナ 3    プラチナ 4

5.いの町紙の博物館で土佐白金紙のお披露目展を開催していただきました。
https://www.youtube.com/watch?v=IapqJ7x60xY
プラチナ 5

【講師プロフィール】
西丸 雅之 ( にしまる まさゆき )  Masayuki  NISHIMARU
1965年 東京生まれ。1989年日本大学芸術学部写真学科卒業。同年同校研究室勤務。プラチナプリントの研究を始める。1990年よりフォト・ギャラリー・インターナショナル勤務。美術館を中心に写真作品の保存処理業務に携わる傍ら、学校や美術館などでプラチナプリントワークショップの講師を務める。2003年サンタ・フェで行われたセミナーに参加し、以降インクジェットプリンタを使ったデジタルネガの研究を本格的に始める。日本写真芸術学会会員。

小津和紙ご案内200

2014年度 和紙文化研究会 会員発表・講演会予定

和紙文化研究会の月例会は、原典講読、会員の研究発表や報告、相互の情報交換などを中心に構成されています。また、年間2名の講師を会員以外よりお招きし て和紙やその周辺に関する講演をお願いしています。 今年度の予定が以下のように決まりました。各月の会員発表につきましては、これまで通り毎月初旬に詳細をHP上でお知らせいたします。見学希望の方は各月 毎にお願いいたします。申し込み方法等も同時にお知らせします。
今年度の文化講演会は展覧会及び産地見学会も含めて「和紙文化in越前」として11~12月に福井県越前市を会場として行ないます。詳細につきましては和紙文化in越前の専用ページをご参照下さい。

和紙文化研究会 2014年度 月例会予定表

回数

日付

会員・招聘発表テーマ

発表者

備考

276

2014/7/19

写真、プラチナパラジウム印画法における支持体としての和紙

西丸雅之

招聘講師

 

2014/8

休会

 

277

2014/9/20

青苧と和紙 ―山形県大江町、西川町での取り組みー

大山龍

 

278

2014/10/18

日本美術の構造と和紙の位置 2

朽見行雄

279

2014/11/24

和紙文化in越前      22回 和紙文化講演会

福井県越前市開催

280

2014/12/20

(仮)レンブラントの版画用紙

 

281

2015/1/17

(仮)紙漉きを伝えるとは

田村 正

新年会

282

2015/2/21

拓本から見る漢代の造紙図

日野楠雄

 

283 2015/3/21

(仮)リーフキャスティングについ

阿久津智広

284

2015/4/18

外部会場 大学関係

外部講師

285

2015/5/16

【第26期・定期総会】

 

286

2015/6/20

ミニ講演会&シンポジウム「紙を漉くとは」

紙漉き関係者

 

 

※2014/8月と2015/5は月例会が休会ですので見学はできません。

※テーマや担当がまだ決定していない場合もあります。仮題は(仮)を付しております。

なお、発表者・発表内容・スケジュールなど変更になる場合があります。各月のお知らせをご確認下さい