会員情報

◆会員情報

2013 大正大学オープンカレッジスペシャルセミナー

テーマ:「和紙と墨色 —紙と墨と水の三位一体の世界—

日野楠雄  会員

概要

現代の和紙を、にじみや濃淡という視点から墨と水とどう関係するのか様々な調査から検証します。そして、中国画宣類も例に出し、楮や三椏100%の手漉き和紙などに書表現上の魅力が存在するのか実例や実演を交えて考察します。

現在「和紙」と言っても様々な意味で捉えられています。今回取り上げる紙は日本に昔からあるもので、現在和画仙と言われるものとは異なり、楮・三椏・雁皮のみを原料として手漉きされているものです。それは特に漢字書道において“にじみ”や“淡墨”の対象にならないと考えられているものです。

しかし、本当にそうなのでしょうか、書と和紙の関係を素材部分から見直し本当に「書に向かないのか」「にじまないのか」などを考えてみたいと思います。多くの実例を展示したり、また、紙の違いや水の違いを比較できるように実演も予定しています。

 

日 程:9月7日(土)13:1014:40

会 場:大正大学 巣鴨キャンパス:豊島区西巣鴨3−20−1

定 員:50名 (申込み先着順) どなたでも受講可能です。

申込みにつきましては添付資料か大正大学・大学法人ティーマップにお尋ね下さい。

公開講座チラシ<PDFファイルです>

公開講座FAX申込書<PDFファイルです>

大正大学・大学事業法人(株)ティー・マップhttp://www.t-map.net/open/ss1d.html

 

展示予定作品

「純」楮100%  「泉」三椏100% 

 

 

 

 

 

 

「泉」三椏100%                                  「純」楮100%

 

第21回 和紙文化講演会のお知らせ

テーマ:「作画に用いられる様々な和紙~古典から現代まで(仮題)

期 日:1130日(土)

会 場:東京藝術大学 美術学部中央棟第一講義室

講師と演題 (都合により変更の場合があります)

◇現代の日本画用作画紙の種類と多様性 (仮題)

               関 出(東京芸術大学美術館 館長)

◇古典絵画にみる絵巻に適した鎌倉時代の和紙加工〈打紙について〉(仮題)

               宮下真理子(和紙文化研究会会員)

◇伊藤若冲紙本墨画に使用された紙及び墨について(仮題)

                                 宇髙健太郎 (東京藝術大学 専門研究員)

◇修復現場における紙製文化財の種類と絵画について(仮題) 

               半田正博(和紙文化研究会会員)

作画に用いられる様々な和紙~古典から現代まで 総括 (仮題)

                        渡邊明義(一般財団法人 世界紙文化支援財団紙守 代表理事)

 

 

月例会見学ご希望の方々へ

見学希望の方は、7月17日(水)まで「添付申し込み書」に必要事項を記入の上、月例会担当の日野宛(東京文物)にFAX03−3759−7103)でお申し込み下さい。なお、当日見学代として2,000円ご用意下さい。

会場の関係で先着10名様までといたしますのでお早めにご連絡下さい。

FAX 申し込み書<Wordファイルです>

 

◆7月例会

日 時:7月20日(土)13301700

会 場:小津和紙本社ビル 6階会議室

13151330 特別講義原本観覧と実演レイアウト準備

13301430 ミニ研修旅行「あきるのふるさと工房」報告

14301440 休憩

14401640 特別講義「和刻法帖について」 原本観覧・版木実演

PC・プロジェクター使用

16401700 事務連絡・片付け・退出

特別講義と実演

題名「和刻法帖について」

招聘講師 日本近世書道史・近世金石研究 岩坪充雄先生

「和刻法帖」とは江戸時代の日本で出版された書道の手本である。現在の芸術「書道」とは意味が大きく異なり、全てが毛筆筆記の時代の中、出版物も毛筆由来の文字に依拠した時代を考える上で、当時の筆記手本「和刻法帖」は日常的であるが故に重要な資料である。明治以降の西洋化で活字・硬筆文化に移行し、それに慣れ切った現代人とは、本質的な感覚が異なる。さらに近年急加速するPCや携帯電話などの電子化も加わって、江戸筆記文化の真相は増々遠のいてしまうのだろうか。

重要資料であるはずの「和刻法帖」研究は遅々として進んでいない。原因は『国書総目録』の未収録扱いから、出版数の厖大な数が想像されるがその全容すらつかめない。現代の図書分類では抜け落ちてしまう部分など考えられるが、和紙研で始まった興味深い紙質調査(「日本の法帖調査研究報告」)なども踏まえて、今回はそのあたりを掘り下げたい。

そして、皆さんに和刻法帖を実感していただくために、江戸時代の版本類に3種の印刷方法に即した左版・凸字版・正面版の原物も展観し、また手に取っていただきたい。原版(版木)を実際に摺る実演もしたい。希望者には摺る体験を通し和刻法帖の理解をしていただきたい。

 

観覧予定の原本と版木

写真「太極帖 4C

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正面版の例:拓本と同様の技法で摺られるもの。この「太極帖」は「草書千字文」「白雉帖」と共に正面版としては最も古いものの一つ。

 

写真「版木 千字文 4C            「遊蜀 4C

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凸字版の例:通常の整版本と同じ原理。千字文の版木と同類の例

 

写真「十七帖 拓 4C

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「版木 十七帖 4C

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左版の例:拓本に似た仕上がり。十七帖の版木と同類同箇所の例

 

【講師プロフィール】

岩坪充雄(いわつぼ みつお)日本近世書道史 1960年生まれ 53歳 文京学院大学職員 東京都荒川区在住 日本中国学会会員 書学書道史学会会員 近世金石研究会会員

善補楽工房主宰 『東隅随筆』は現在359号まで刊行 岩瀬弥助記念書物文化賞受賞

著書『江戸・唐様書道史研究叢稿』 論文「和刻法帖理解のために − 近世毛筆文化理解の一歩−

(『書物・出版と社会変容』研究会刊)ほか

 

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